君に逢いたかった【名前変換】―Part.7― (ページ32)

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■Story 332 ページ32

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大貴「あ、それ……」

あ「学校ではつけられないから。」

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放課後、Aの指には俺がクリスマスにあげた

シルバーリングがはめられていた。

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大貴「捨てられてなくてよかった。」

あ「捨てるわけないよ!」

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Aは俺の隣で手を空にかざしながら、

嬉しそうな顔をする。

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大貴「子どもみたい……」

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あ「今、子どもって言ったでしょ。」

大貴「聞こえてた?」

あ「聞こえてるよー。りえとかにもよく言われるんだよ……」

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すぐにしゅんとするところも

まさに子ども。

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俺とは違った意味で子どもなんだよな。

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あ「少しは大人にみられるように努力した方がいいよね。」

大貴「いいよ、Aはそのままで……」

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俺はAの左手をぎゅっと握る。

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子どものような小さな手。

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そういえば……昔、

両親と家の近く散歩したな。

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父さんと母さんが両手を握って、

一緒に歩いて……

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その時、俺もAと同じくらいの、

いやそれよりも小さな手をしてたはず。

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いつから家族が壊れ始めたのか…

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原因は俺だってわかってるけど。

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あ「大貴……?」

大貴「あ、ごめん。何か食べようか。」

あ「うん、そうしよう。」

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