【短編集】きみとふたり【実況者】

夜が明けてしまうから ko.su.ke ページ18

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ｺﾂｺﾂｺﾂ…


外から聞こえる誰かの足音。


こーちゃんならいいのに、なんて。


違うって分かってるけど。


隣に寄り添って歩きたい。


この気持ちを、こーちゃんは受け取ってくれるかな。



ー先日ー

こー「んじゃ、行くね。今日は本当に楽しかった！また誘うわ！」


貴「うん、あっ…」


言葉として紡ぐことが出来ない吐息が凍り、


貴「…行っちゃった…」


こーちゃんの姿はすぐに居なくなって、


一人ぼっちで立ちすくむ街角。


貴「もう、居ないよね？」


それでも私はこーちゃんの姿を探してた。


絶対に見つけられない、人混みの中を。



貴「今日も会いたい、って言えばよかった…」


昨日言えなかったから、１人で悔しがってる。


本当は今すぐにでも電話かけて、


すぐにここに来てって伝えたいよ。


貴「出来るわけないよね…」


きっとためらってるんだ。


もし断られたらどうしよう、って。


そしたら電話越しでも戸惑ってるのが分かっちゃうから。


ふと、こーちゃんを好きになった日を思い出す。


優しくて、誰よりも笑顔が素敵な彼に一目惚れをしたんだ。


顔を真っ赤にしながら告白したり、


笑いながら彼氏になってくれたり。


今思うと、


貴「恋をしてから臆病になったみたい…」

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