ソルティマカロン【シャルルヴィル】 (ページ7)

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彼女は決心した。ページ7

本当に馬鹿みたいだ。
シャルルさんも、マスターさんも。同情なんてできない。彼らの気持ちなんて1ミリも理解できない。彼女が流してる涙の意味もシャルルさんが吐いた弱音も、私には分からなかった。

「釣り合いって、なんですか？恋に釣り合いを取ることって必須なんですか」
「え...？」
「マスターさんが焦れったいと、本当に私、シャルルさんに手を出します。冗談じゃないです、私はいつだって本気なんです！」

濡れた頬を両手で包んだ。そのまま彼女を真っ直ぐ見つめる。優しいチョコレートみたいな瞳が真っ赤になって勿体無い。

「＿＿嫌だ。ごめんね、自分勝手なのは百も承知だよ。でも嫌だ、せめて私が先に言いたいよ」
「あはは、それじゃあ私の負け確定じゃないですか。マスターさん、少なくともシャルルさんはあなたを特別な女性だとは思ってますよ」
「え、それって＿＿」
「答え合わせはご本人にどうぞ。...ふられたら一番最初に愚痴ってくださいね？」

私はマスターさんにニコリと笑う。彼女にこの笑顔はどう見えてるのかな。悪女？それとも悪魔？何だっていいかもしれない。
マスターさんは私の手に自分の手を重ねて静かに言った。ありがとう、その時はお願いね、って。一生来ないであろうその時を私たちは約束した。

これは女同士に秘密の話だ。