ソルティマカロン【シャルルヴィル】 (ページ2)

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彼女は二人を見た。ページ2

きらりと光る金髪が見えてもしかしてと思ってその人を追って食堂に向かった。この間助けてもらったお礼……ともう少しその人とお話してみたかったから。
彼のあとに続いて食堂に入る。やっぱり、やっぱりシャルルヴィルさんだった。彼に話しかけようと声をかけた時、彼はある女性の名前を呼んで私は咄嗟に口を閉じた。

「マスター、ご一緒しても？」
「うん、どうぞ」
「メルシー！」

シャルルヴィルさんは自分の分のランチを持っていき女性の向かい側に座る。彼の向かい側で静かにコーヒーを飲む女性はレジスタンスのメディックでありマスター。腰くらいまで長く艶のある烏の濡れ羽色をしたロングヘアーに色素の薄くきめ細かい肌。瞳は大きくて優しいブラウンの色をしている。S字を描くような女性的で艶やかな体つき。豊満な胸元は同性の私でもついつい見てしまう。
そんな綺麗な＿＿日本の和服を着たお姫様みたいな容姿をしている彼女とシャルルヴィルさんが並ぶと美男美女でなんとも言えない感覚だ。確かに彼女はシャルルヴィルさんのようなパッとする華やかさは持ち合わせてはいないものの顔は十分に整っているし品も良くて淑やかだ。
あんな人が恋のライバルになんかなった日にはど平凡の私なら即負けるんだろうな。
＿＿心臓を突き刺されるよりも、痛かった。
わからないけど痛くてよく分からないのに視界が歪む。

「( 楽しそう。マスターさんにはあんな表情見せるんだ )」

彼女と話すシャルルヴィルさんはよく笑っていた。笑ったり照れたり困ったような顔をしたり、明らかに周りとの対応には差があったんだ。
付き合ってるのかな、ってたぶん、絶対そう。
彼と初めて話したのは昨日で、時間だってたったの数分。けれど今の光景は私の心情をバラバラにするには十分なものだった。

きっとこれが一目惚れだったんだ。