6話 気づいてないだけ ページ8
ジャミ「
頭が一瞬痛くなるような感覚と共に脳内に砂嵐が舞う。
上手く思考が回らず、体内の神経が脳からの指示を拒んでいるようだ。
まずい、と思っても体が動かない。
「(な、なんでこんなことするの…)」
ジャミ「君は明日からも料理をしてくれるね？」
やりたくない。
「…は、はい。ご主人様。」
ぱちっ、と乾いた音がして強ばった身体が自由になった。
突然体の自由が戻ったので、僕は糸の切れた人形の如く床に勢いよく座り込んだ。
お尻が痛い。
「ジャミル…
今のって…ユニーク魔法？」
魔法をかけた本人は驚いた様子で僕を見ている。
彼の血色の良い肌が段々青ざめていき、冷や汗をかいていて、より心の中での焦りを感じる。
ジャミ「！！来い！」
「え、ちょっと！」
ジャミルは僕の両手首をガシリと掴み、
キッチンが廊下から見えない所まで大股で早歩きをした。
僕の手首に彼の爪が食い込んで少し痛い。
ジャミルが本気を出したら爪だけで僕の手首が取れると思えてきた。
その時、
「！！痛いっ！！」
勢いよく冷蔵庫とガスコンロの間、人一人入れるギリギリの所の壁に両手首を押さえつけられた。
壁にスピードを落とすこと無くぶつけられたこともそうだけど、ぐりぐりと手の甲を壁に押されるのが痛くて、俯いてしまう。
普通に考えたら痛いのに、分からないってどれだけ冷静になれてないんだよ…。
ジャミ「………。
A、
本当に俺のユニーク魔法を見たのか？」
「……うん。」
ジャミ「……はぁ。
A。
カリムにも、
学園長にも、
クラスのやつにも、
俺のユニーク魔法を言わないって約束できるか？
俺とAの秘密に、してくれるか？」
「うん。
約束する。
約束するから手を離してくれない…？
凄い痛いんだけど。」
ジャミ「あ。す、済まない！！」
パッと離された手をみると、押さえつけられていた所が赤くなっている。
いつもならこんな力加減できないくらいに動揺なんでしないのに。
やはりジャミルはかなり冷静さを欠いたらしい。
❈❃❈
寮生「…何言ってるか分かんないけど、
あれって壁ドンじゃね？」
寮生「それな。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
風鈴(プロフ) - 悠風ごめん、コメント見てなかった。リクエスト答えてくれてありがと。横笛…かっけぇな、軽音部からの熱い勧誘は怖い… (2020年11月9日 0時) (
レス) id: cf698666c3 (このIDを非表示/違反報告)
悠風(プロフ) - 「風鈴さん、質問ありがとう！絵以外だったら、楽器を演奏することが今ハマってることだな。カリムが太鼓でジャミルがギター。僕は横笛を吹くんだ！僕の演奏をリズムに、二人が踊ってくれることもあるよ！軽音部からの熱い部活への勧誘もあったっけ……」 (2020年10月26日 21時) (レス) id: a4b29a8b8f (このIDを非表示/違反報告)
風鈴(プロフ) - 夢主ちゃんの最近ハマってるものは？(絵以外) (2020年10月25日 22時) (レス) id: cf698666c3 (このIDを非表示/違反報告)
悠風(プロフ) - 星猫さん» 了解です！！ (2020年10月25日 17時) (レス) id: a4b29a8b8f (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - すみません；；自分のログインが苦手で…；；私の作品がこの作品で会話しよう！を会話しませんか？ (2020年10月19日 19時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：悠風 | 作成日時：2020年10月9日 23時
