19話 半端は裏切りなのか ページ24
洗い終わった髪を適当に捻ってクリップで留めて濡れないようにして、少し熱めの湯船の中へ。
体はゆっくりと湯に沈んでゆき、やがて鼻が出る位置で動きを止めた。
そして僕のすぐ傍を黄色いおもちゃのアヒルが悲しい顔をして流されて行った。
「…。君も一人、どこかに行きたいんだよな。」
朝のオアシスまでの行進の途中で
「…………今日の夜、少し話をしよう。」とジャミルが言っていたことがずっと気になっている。
なぜ、このタイミングで集める必要があるんだろう。
もしかして、彼はここで寮生たちの不満を爆発させる気なのかもしれない。
だとしたら、なぜ夜なんだ？
昼の方が明るいし、学園長とも連絡が付くから退学願も出しやすいはず。
でも、学園長は今南国に居るはずだ。熱砂の国だったか。
そもそも学園長が居ない方が有利に進むとか。
…頭がこんがらがってきた。
「(考えるのは、彼に会ってからにしてもいい。)」
揺らめく物から一旦抜けて、タオルで不要な考えを拭き取ったら寮服を手に取る。
赤にも黒にもなれなかった色の寮服。
『一番』の象徴である金のチョーカー。
上の者に永遠に囚われるお前は中途半端、という意味にも捉えることのできる服だ。
この寮服は着る者たちに「お前は一番になれはしないよ」と暗示をかけているのだろうか。
本当ならば、かなり遠回しな意志の伝え方だけど。
「だめだ、僕がこんなにマイナスになったら…」
そう、僕が親身になって聞いてあげなきゃ。
副寮長を精神的に支えられるのは僕くらいしかいないんだからな。
「よし！！」
頬を思い切り叩いて気合いを入れたら、少し元気がない自分の顔が鏡に映って見えた。
これじゃあ、心配かけちゃうな。
指で思い切り口の端を上げて笑顔を作ってしまえば、もうジャミルでも元気がないことが分からない。
浴室のドアを開けて、談話室へ向かった。
集合場所に行く途中、幾つもの部屋の前を通った。
いつもは「豪華すぎて直視できない」はずの部屋を繋げるドアが少し暗く、地味に見えた。
「(誰かの心が泣いている)」
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風鈴(プロフ) - 悠風ごめん、コメント見てなかった。リクエスト答えてくれてありがと。横笛…かっけぇな、軽音部からの熱い勧誘は怖い… (2020年11月9日 0時) (
レス) id: cf698666c3 (このIDを非表示/違反報告)
悠風(プロフ) - 「風鈴さん、質問ありがとう！絵以外だったら、楽器を演奏することが今ハマってることだな。カリムが太鼓でジャミルがギター。僕は横笛を吹くんだ！僕の演奏をリズムに、二人が踊ってくれることもあるよ！軽音部からの熱い部活への勧誘もあったっけ……」 (2020年10月26日 21時) (レス) id: a4b29a8b8f (このIDを非表示/違反報告)
風鈴(プロフ) - 夢主ちゃんの最近ハマってるものは？(絵以外) (2020年10月25日 22時) (レス) id: cf698666c3 (このIDを非表示/違反報告)
悠風(プロフ) - 星猫さん» 了解です！！ (2020年10月25日 17時) (レス) id: a4b29a8b8f (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - すみません；；自分のログインが苦手で…；；私の作品がこの作品で会話しよう！を会話しませんか？ (2020年10月19日 19時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠風 | 作成日時：2020年10月9日 23時
