15話 雪は霙となって ページ17
振り返っていたら湯気が立っていたミルクティーもすっかり冷たくなっていた。
全く、使い終わりが近いカイロの方が温かい気がする。
冷たくなったマグカップを手で温めて少し瞼を閉じた。
本当に同情したくなる忙しさだった。
疲れた気はしないけれど、いつも騒ぎに巻き込まれる監督生が目を回さないのが不思議だ。
「昨日の僕は大変だったんだな…」
昨日は彼女達に記憶消去魔法をかけ、意識が無い間にこっそり部屋を抜け出して自室に戻った。
僕の住んでいた地域は汚い仕事関係の人がよく集まっていた、所謂貧しい地域の中の下の部分にあった。
その為盗みは勿論、ピッキングや人を気絶させる事くらいできないと生きて行けなかったのだ。
監督生やグリムが逃げ出そうとした時に彼女の制服の中に入ってた髪ピンを一つ頂戴したことで開けるための道具を調達できた。
だから鍵は簡単に開けられた。
にしても南京錠に20秒は少し長かった気もするけど。
暗い外はまだ雪が降っているのようだ。朝日がそろそろ上る準備を始めるからか、白い雪は少しづつ霙に変わっていく。
「そろそろ戻って寝るとするか。」
マグカップや鍋等の食器は魔法を使い、手っ取り早く洗ってから乾かして仕舞う。
電気を消して、鏡を潜った。
流石のジャミルも寝ているのか、彼の部屋を通りかかった時「ｽｰ ｽｰ」と穏やかな寝息が聞こえた。
自分の部屋に入って直ぐにベッドにダイブした僕は、数秒もしないうちに眠りについてしまった。
そして朝食前の今、東のオアシスまで炎天下の中行進をしている。
カリ「そこ、足が上がってないぞ！」
カリ「隊列が崩れてる！集中しろ！」
カリ「フラフラするな！」
寮生も監督生も昨日の夜遅くまで勤勉に励んでいたのだから眠いのは当たり前。
その中重い傘を差して歩いているんだ。
辛いに決まってる。
ジャミルは何食わぬ顔だが、額にじんわりと汗が浮かんでいる。
3人で話したあの夜の時の彼の顔が一瞬脳裏を駆けた。
「ねぇ、ジャミル。」
ジャミ「ん？どうしたA、そんな真面目な顔で。」
「ジャミルの初恋って、誰だって言ってたっけ？」
ジャミ「い、今この状況でそれを言う奴がどこにいるんだ馬鹿！」
「なんかジャミルの顔みたら、つい。」
ジャミ「意味がわからない！！」
「それで、結局誰だっけ？」
ジャミ「馬鹿、声が大きい！！！」
16話 照れ顔(ジャミルサイド)→←14話 力の封印(監督生サイド)
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風鈴(プロフ) - 悠風ごめん、コメント見てなかった。リクエスト答えてくれてありがと。横笛…かっけぇな、軽音部からの熱い勧誘は怖い… (2020年11月9日 0時) (
レス) id: cf698666c3 (このIDを非表示/違反報告)
悠風(プロフ) - 「風鈴さん、質問ありがとう！絵以外だったら、楽器を演奏することが今ハマってることだな。カリムが太鼓でジャミルがギター。僕は横笛を吹くんだ！僕の演奏をリズムに、二人が踊ってくれることもあるよ！軽音部からの熱い部活への勧誘もあったっけ……」 (2020年10月26日 21時) (レス) id: a4b29a8b8f (このIDを非表示/違反報告)
風鈴(プロフ) - 夢主ちゃんの最近ハマってるものは？(絵以外) (2020年10月25日 22時) (レス) id: cf698666c3 (このIDを非表示/違反報告)
悠風(プロフ) - 星猫さん» 了解です！！ (2020年10月25日 17時) (レス) id: a4b29a8b8f (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - すみません；；自分のログインが苦手で…；；私の作品がこの作品で会話しよう！を会話しませんか？ (2020年10月19日 19時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠風 | 作成日時：2020年10月9日 23時
