9話 告げる言葉と本音 ページ11
彼は先日僕にかけたユニーク魔法を使う気は無いらしく、そっぽを向いている。
マジカルペンを手の届かない場所に置いているので、他の洗脳魔法も使用しない彼なりの意思表示だ。
どうしよう、嫌な予感が的中してしまった。
ジャミルのユニーク魔法をかけられたカリムは彼の言いなり。
言わば
これなら明るくて優しいカリムがあんなに横暴になることに納得出来る。
それに、ジャミルにはそうする動機がある。きっとカリムが寮長に任命された話の後から計画を始めたんだろう。
でも、僕はどうすればいい。
このままジャミルに同意してしまえば彼の熱砂の国での居場所が無くなってしまう。
逆に今彼を否定してしまったら滅多に相談をしないジャミルの思い・決意を無かったことにしてしまう。
勿論、彼からの相談なんてされなくなる。
裏切られる側の気持ちなんて痛いほど分かるからこそ二つの選択肢の間にいたい。
裏切られるなんてそんな苦しい思いをするのを見るのも、もう二度とごめんだ。
「離れないよ。でもね、ジャミル。
僕はカリムの方にもジャミルの方にもいなきゃ。」
ジャミ「ッ…」
「そんなに悲しい顔しないでよ。
約束する。
僕はジャミルを下に見たり、従者として見たりしない。」
ジャミ「俺の方に付いてくれる、とは言わないんだな」
「二人の味方でいる。片方が道を踏み外した時に元の道に戻すのが僕の役割だから。」
だからさ、僕が踏み外したら連れ戻してくれる？
あの時みたいにさ。
そっと彼の背中に投げかけた小さな本音は
僕の心が制御出来なくなった時の為に。
ジャミ「当たり前だろう、A」
Aはやはりどちらにも付けなかった。
俺も、Aも生きる為にバイパー家を捨てる訳には行かない。
でも今やらないと、もうこれ以上のチャンスは無いんだ。
もうそろそろ限界だし、俺はずっとアイツと一緒だろうから。
ホリデーで自由になれたら、籠の中から出られるんだ。
カリムに手加減して負ける事も
急な宴の準備をする事も
親のペコペコする所を見る事も
全ての重りを投げ捨てて。
ようやく風切羽を取り戻すことができるんだ。
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風鈴(プロフ) - 悠風ごめん、コメント見てなかった。リクエスト答えてくれてありがと。横笛…かっけぇな、軽音部からの熱い勧誘は怖い… (2020年11月9日 0時) (
レス) id: cf698666c3 (このIDを非表示/違反報告)
悠風(プロフ) - 「風鈴さん、質問ありがとう！絵以外だったら、楽器を演奏することが今ハマってることだな。カリムが太鼓でジャミルがギター。僕は横笛を吹くんだ！僕の演奏をリズムに、二人が踊ってくれることもあるよ！軽音部からの熱い部活への勧誘もあったっけ……」 (2020年10月26日 21時) (レス) id: a4b29a8b8f (このIDを非表示/違反報告)
風鈴(プロフ) - 夢主ちゃんの最近ハマってるものは？(絵以外) (2020年10月25日 22時) (レス) id: cf698666c3 (このIDを非表示/違反報告)
悠風(プロフ) - 星猫さん» 了解です！！ (2020年10月25日 17時) (レス) id: a4b29a8b8f (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - すみません；；自分のログインが苦手で…；；私の作品がこの作品で会話しよう！を会話しませんか？ (2020年10月19日 19時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠風 | 作成日時：2020年10月9日 23時
