笑ったり、泣いたり。 ページ31
あの日から、二日が経った。
周りを見渡すと、ポップコーンを片手に楽しそうに笑いながら隣に立つお母さんの手をぎゅっと握りしめて歩く子供や、世界に二人だけしかいないかのような雰囲気を醸し出しながら距離近めに歩くカップル、今日だけは自分の殻を破り捨てて頭に変なのをつけてバカになって騒ぐ男子高校生たちなどの姿。
そんな俺の前には、初々しさを醸し出して少し距離を作って歩くダニと、君。
その５歩くらい後ろには、お揃いの黒いネズミのカチューシャをつけたソミとデフィが楽しそうに歩いていて、その様子を見ながらチュロスを片手にのほほんという様子で俺の隣を歩くジニョン。
この場所に来てもう太陽が沈み始めているというのに、相変わらず恥ずかしがって近づかない二人と、相変わらずきゃはきゃは騒いでいる二人は、同じことを続けて飽きないのかと思ってしまう。
「あー、ソミや、こっち行こう」
「んー？いいよー」
じゃ、俺らこっち行くから、と言って俺たちから手を振って抜け出すデフィ。
何かを決心したようにソミの手を引っ張って二歩先を歩く彼の先には、いろんなキャラクターがLEDのついた車に乗って行うパレードが始まっていた。
「じゃ、俺らも」
そう言ってジニョンのチュロスを持っていない方の手を引っ張って、デフィたちとは少し離れたところに向かう。ダニに視線を送ると、ダニは俺の考えに気付いたのか、こくっと頷いて君に何か話しかけた。君は嬉しそうにうんうんと言って、ダニと歩き始める。
「あー、俺も彼女、欲しいな」
パレードを見ながらジニョンがふと呟いたその言葉に反応する。「今まで好きだった人とかいないの？」
「それがさ、できたことないの。恥ずかしいことに」
ジニョンの視線の先には、デフィたちがいた。
「今も？」
「うん」
「好きな人のために泣いたり、笑ったりしてみたいな」
だからジフナが羨ましい。
ジニョンは目を合わせないで、そう言った。
「片思いもかなり辛いよ」
相手の好きな人を知ってれば余計に。
「そっか、そうかもしれないね」
そのまましばらく、パレードを眺めた。
気がついたら、ダニと君が俺らの隣に来ていて、ソミとデフィも来ていた。
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gumi - カミンさん» わあー！コメントありがとうございます！世界観が好きだなんて…！嬉しいお言葉です。TT 読んで下さりありがとうございました！^^ (2019年1月12日 23時) (
レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
カミン(プロフ) - ジフンくんサイドのお話がとても胸が痛くなり、涙が止まりませんでした（ ; ; ) すごく作品の世界観が好きです！！ (2019年1月3日 1時) (レス) id: 3873527d29 (このIDを非表示/違反報告)
gumi - なすび。さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです！ジフナの想いが伝わらず終わってしまったので次の作品はジフナの想いが伝わる作品にしようと思っています笑 心が奪われたなんて…この作品を書いて本当に良かったです。コメントありがとうございました！^^ (2018年4月30日 3時) (レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
gumi - リンさん» 反日、ですか！書いたことがないのでお気に召される作品になるかわかりませんが、考えてみますね！リクエストありがとうございます！！^^ (2018年4月30日 3時) (レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
なすび。 - これは作り話ってわかってても泣くやつだな。と思って見たら、案の定、涙が止まりませんでした。笑自分は神田ペンなんですけど、ジフンちゃんが切なくてやばかったです。この作品を読んだ後にbeautifulを聞くとまた涙が。笑完全にこの作品に心を奪われました。 (2018年4月29日 9時) (レス) id: 4fa7f8ad10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gumi | 作成日時：2017年10月11日 11時
