一目惚れ、しました。

女子力のなさを、痛感しました。 ページ9

それから、登校の時はいつも通りの７時７分の電車で、
下校の時はこの前の小悪魔くんがいた電車で帰る日々を送っていた。


それで最近思ったこと...


７時くんって朝に強いタイプ？


いつも朝はシャキってしてるけど、帰りの電車では毎回同じように小悪魔くんの話を頭かくかくさせながら聞いている。

小悪魔くんも７時くんが話を聞いてないのにあんなに楽しそうに話して飽きないのかな...なんて、今日も車両の右端に座る2人の姿を眺めながら思う。

携帯を取り出し、ロック画面に出てきた時間を確認する。

ああ、あと５分しか７時くんの姿を見れないのか。

私が降りる駅まであと一駅。

窓の外を見ると、もう真っ暗になっていて車内の光が反射して鏡のように自分の姿が映っていた。


胸らへんまである長めの髪の毛。


毛先を指でいじりながら思う。茶色に染めたいけど、うちの学校ダメなんだよね...


こうやって自分の姿を見ると、いつも女子力のなさを痛感する。


メイクはしてるけど薄いし。このスクバだって可愛いキーホルダーとか付いてないし。

...かといって真面目ちゃんで暗いわけでもないし。



ソミみたいに女子力の満ち溢れている明るい女の子に生まれ変わりたい。１日でいいから。

そしたら、ジャクソンくんに話しかけてもしかしたら７時くんのこと知れるかもしれないし、そんなことしなくても自分で７時くんに直接話しかけることだってできるかもしれない。



「あぁ〜...」



つり革につかまりながら、大きくため息をつくと、それに合わせたかのようにちょうど電車が私が降りる駅に止まった。




電車を降りて、改札を通る。


その時だった。


見慣れた声が聞こえたかと思ったら、ぐいっと、手を引かれた。


声を出す間もなく、抵抗もする間もなかった。

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