一目惚れ、しました。

海に、きました。 ページ22

カモメの、鳴き声。


太陽の照りつける、この暑さ。


澄み渡るくらいの、青空。


見渡す限りの、海。


いいね、夏だね！


じゃなくて。


「ちょっとちょっとなんでこんなとこにいるの」


目の前を小悪魔と楽しそうに歩くソミに話しかけると、うーん？といった様子で振り向いてきたがどうやら私の質問に反応する気はないようだ。すぐに小悪魔との会話に戻っていった。


ソミは、私よりそんなやつのほうが大事なのか！


なんて心で海に向かって叫ぶと、ザザーンと返事のように波の音が聞こえて、なんだか虚しくなった。


事の発端は十分くらい前。


ソミが、言い出した。


「せっかくだし、どっかに遊びに行こうよ！」


それに乗ったのは、小悪魔パクジフン。


「お、いいね！どこ行くか！」


場所を提案したのは、七時くんもといダニエルくん。


「んー、海とかどう？」


そんなことで、気がついたら海にいた。

展開早すぎて思考が追いついていない。

そして私の隣を歩くのはカンダニエルさん。眩しすぎます。どうすればいいんでしょうか。


海に着くや否や、ソミはジフンくんと海に向かってダッシュしていった。


...なんだあの二人は！カップルか！


水掛け合いながらあははうふふとか聞こえますが。
小悪魔はあんな性格だったのですか。


私は、海には入りたくないため日陰で休んでいると、小悪魔に「飲み物買ってこい」とパシられた。ホント許せんこいつ。

仕方なく、よいしょと立ち上がり、奥にある自動販売機へ足を進める。


何がいいのかな、ソミはコーラでしょー。
小悪魔は明らかに僕ちゃん桃水ですとかかわいこぶってそうだけど裏ではビール飲んでそうだよね。
あ、七時くんは何がいいんだろ？

てかさっきから姿見てないような...



「俺、スポドリで」


「うわっ」


「え、気づかなかった？」



驚く私に、ふふっと微笑む七時くん。

いつの間にいたんだこの子は！



「す、スポドリね...？」


「うん。あ、やっぱりいいや。俺がお金出すよ」


いいよいいよ、ともうお金の投入口に手を添えていた私の手をさりげなくどけて、お金を入れ始めた。

手が、当たった...


一瞬どきっとしたが、七時くんのお金の入れ方の雑さにそのドキドキは引っ込んだ。


だって、小銭バーって。

数えてない感すごい。


「ソミちゃんは？」


「あ、ソミは、コーラ」


「おっけー」


なにいまのおっけーの言い方。かわいい。



そして、二人でソミたちの元に向かった。

まるで、夢みたいでした。→←ニコッと、微笑まれました。

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