一目惚れ、しました。

発音のいい、おやすみです。 ページ18

車の中で、ジソン先生は妙にテンションが高かった。

いや、もとからテンションが高い人ではあるんだけどね？

なんか、一方的に話してたっていうか。


「それでさ、公園にいた男の子がほんっとに可愛くてさ〜」


「この前当たりがでる自販機で飲み物買ったら二回やって二回とも当たっちゃってさ、結局4本ゲットしちゃったんだよね〜」


「チョークで指怪我して保健室行ったの、そしたらグァンリンが保健室のベットで寝ててさ〜。写真撮っといた。見る？」



...どう反応すればいいかわからない話ばかりでした。はい。

最後のなんてどうしてチョークで指怪我するのって。



結局、こんな感じで私の家に着いたときには、時計はもう９時を指していた。



「A〜？起きてる〜？」と、私の顔の前で手をひらひらと振る先生に「起きてます〜」と返して、車から出る私。



「居残りなんてさせちゃってごめんね〜。まあでも、悪いのはAだから仕方ないか」



「先生、ソミも悪いってこと忘れないでください」



「あ、そういえばもうすぐで夏休みじゃん。どっかに遊びに行くの？やっぱ海？」


「話が通じないのが一番辛いけど、その下心丸出しの質問もやめてください」


「なーんだよー。JKでしょ？やっぱ海じゃなきゃね」なんてわけのわからんことを呟く先生の話をお礼という一番の礼儀正しい行為で強制シャットダウンさせて、家に入る私。

玄関の扉が閉まる直前に、じゃあね、という優しい声とともに扉の隙間からブラックスマイルはどこに行ったのか、ふんわり微笑む先生の笑顔が見えた。


おやすみなさい、と私も小さく呟く。




そしてお風呂に入って部屋に入ったのはいいものの、




「や〜、お前は先生もたぶらかしてるのか。やな女〜」



カーテンを開いた瞬間待っていたかのように、野次を飛ばしてきた目の前の小悪魔パクジフンは無視します。



「無視すんなよー。そんなんだから彼氏できないんだぞー」



「えっなんで彼氏がいないこと知ってんの怖い」



「違うし普通に考えてお前みたいなやつが彼氏いるとかおかしいでしょって話だし」



「そういうあんただって彼女いないくせに」



うっと、たじろぐ小悪魔。


フッッフッフ。



「私はいつか彼氏作りますから〜。あなたより先に」



「ダニは渡さないもんねー。GOOD NIGHT〜」



だから、その発音のいいgoodnightやめてってば。

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