夜は明けて太陽が昇るように ページ43
ジニョンを突き放したあの日から、2週間経った。
「…なあ」
午後10時。閑散とする店内を片付ける私の隣で、ソンウがいつもより低い声を出した。
「なに?」
「最近、来てなくない?」
「…なにが?」
分かっているけど、わざとそう聞く私は、自分が嫌なことから逃げる弱虫だってわかってる。
ソンウの目は、その拭いているテーブルから離れなかった。
「なにって、彼氏」
「…そうかな」
しばらく沈黙が流れる。その空気をだんだん重くさせているのは自分だって、気がつくのにそう時間はかからなかった。
「…お前、なにか隠してるだろ」
ソンウの何かを見透かしているような黒い瞳と目が合う。
『お前』そうソンウに呼ばれたのも、強気な雰囲気を出されたのも初めてだった。
「別に関係ないじゃん」
「あるだろ」
強い口調になってしまった、そう思うよりも先にソンウが言葉を発していた。
「お前最近すごい調子悪いだろ。少なくとも、俺にはそう見える。
ふらふらしてるし。ちゃんと寝てんの?
決めつけはしないけど、その原因が彼氏ならお前にちゃんと事情を話してもらうからな」
いつの間にか、テーブルを拭く手は止まっていた。
私、具合悪そうに見えてたんだ。
知らないうちに、ソンウに心配かけてたんだな。
ソンウの優しさにありがたさを感じた。でも私は、頑固だから正直に甘えることが出来ない。そこが悪いとこだって、分かってるのに。
「ありがとう。
ジニョンは関係ないよ。
最近録画したまま、たまってたドラマ夜中に見てて夜更かししてたからかな?
心配かけちゃってごめんね」
少しでも話題をそらしたくて明るめにそう言う。ソンウは疑いの視線を向けて何か発しようとしたが、ソンウンオッパの呼ぶ声がそれを遮った。
オッパが、ひょこっと顔を出す。
「A〜、今日もありがとな。
もう帰っちゃっていいよ?
あ、それともジニョンが迎えに来てないなら一緒に帰ろうか」
「危ないしね〜、そうしようか」と独り言のように呟きながら、ちょっと待っててと、着替えるために奥に消えていった。
しばらくして私服姿のオッパが出てきて2人で暗い闇の夜空の下に出る。
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gumi - nonさん» 初めまして!!わー!気づいていただけたのですね!すごく嬉しいです^^ 2の方にもコメントありがとうございます!!! (2018年4月2日 11時) (レス) id: b667432b9d (このIDを非表示/違反報告)
non(プロフ) - 初めまして!こちら読ませて頂いていますが"一目惚れしました"と話が繋がっているんですね^ ^こちらも楽しみにしていますので更新頑張って下さいね! (2018年4月1日 22時) (レス) id: 05e664ed41 (このIDを非表示/違反報告)
gumi - おりおんさん» ありがとうございます!!頑張りますね^^ そうなんです!!スキー ジャンプの予選で流れていました!! (2018年2月9日 15時) (レス) id: 23de9b5470 (このIDを非表示/違反報告)
おりおん - 続きがはやく見たいです…!続編頑張って下さい!! え、wannaoneの曲流れたんですか!?!? (2018年2月8日 22時) (レス) id: aee52d8b42 (このIDを非表示/違反報告)
gumi - baekdoさん» うわー!毎日待ってくださっているなんて!作者は本当に幸せです…涙 はい!気に入っていただける作品が書けるように頑張ります! (2018年2月8日 22時) (レス) id: 2d5ba8a921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:gumi | 作成日時:2018年1月18日 17時