Wanna be your sweetie.��

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てか、翔太と言えば、



『ねぇ舘さん、』
「ん？」

『この前翔太から電話あってさ、ちょっと気になること言ってて、』


目黒と色々あったあの日、電話をかけてきた翔太が切る直前に言った言葉。


"俺、全員切ることにした。"

"遊んでた女。"


正直なんでそれを私に言ってきたのか不思議でしょうがないし、

あの翔太が、どうして急にそんな気になったのか、

私にはさっぱりわからない。



聞こうと思ったのにそのまま電話を切られて聞くに聞けず今に至るわけだけど。




「もしかして、女の子で遊ぶのをやめるって話？」
『…え、』

今まさに私が聞こうときていた言葉を、彼が口に出した。



『そう、その話。』
「そっか、…翔太、Aに言ったんだ。」


舘さんが何かを思うように遠くを見つめる。




『…なんで急にそんなことし始めたんだろう、』
「急に、ではないと思うよ。」

『そうなの？』
「うん、少し前からちょっとずつ、準備してたっぽい。」


…準備、か。
なんの準備？



「この前会った時は、頰が腫れてたよ。別れ際に叩かれたらしい。」


まあ自業自得だけどね、と笑った舘さんに私も思わず笑い声を漏らす。

……頰叩かれるって、めちゃめちゃ修羅場じゃん。


翔太はどんな風に叩かれたんだろうなんて考えていたら、




「出会いってさ、人間を変えるよね。」



館さんがボソリと、何やら良い言葉っぽいものをこぼす。

どうした急にって思ったけど、その言葉がやけに胸に響いた。




出会いは人を変える。



…確かにその通りだ。

この数ヶ月間で、あれだけ恋に臆病だった私がふっかに告白しようと思えたのは、確実に目黒に出会ったからで。





『確かにそうだね、…でも、最終的には自分を変えられるのって自分しかいない気がする。』



生まれたきっかけをどう活かすかは、自分次第。

踏み出すかどうかは私次第。


私の言葉に、館さんが優しい笑顔でゆっくり頷いた。


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