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約束の日。
待ち合わせ場所は最寄駅の改札の前。
昨日の夜、ふっかから連絡があってここに来いと。
着いたのは予定の20分前。
もう少しゆっくり来ても良かったんだろうけど、絶対遅れたくないと思って家を出たら、早く来すぎた。
12月24日を迎えた駅前は、待ち合わせのカップルで溢れてる。
いつものクリスマスならバイト先からそれを眺めて、1人なんか虚しい気持ちになっていたけれど。
…今年は大丈夫。
冷える足先を温めようと、地面にブーツの先を擦り付けた。
ネットサーフィンで得た情報を頼りに、出来るだけいつもよりほんの少し可愛い感じの格好で。
…ふっかが今まで付き合ってきた子たちはもっと可愛い感じのを着てたんだろうけど。
いつもなら着倒したTシャツにジーパンでも良いやくらいの私にとっては、だいぶ高いハードルを超えた気分。
にしても早く来すぎたな、
私の隣に立っていた女の子は、待ち合わせ相手と合流して楽しそうに歩いて行く。
刻一刻と時間は過ぎていって、それと同時に緊張だけがどんどん増していく。
今まで何度も遊びに行ったりはしたけれど、今日は目的が違うから、昨日から緊張しすぎて夜もあんまり寝られず。
だから今日はほんの少し寝不足だ。
腕時計の秒針が回るのをじっと見つめていると、
「A、」
不意に名前を呼ばれて、その声に顔を上げる。
私の視界に入り込んできたふっかは、目が合ったのを確認してふわりと笑顔を向けた。
…あぁ、本当に。
今日はどうしてこんなにも緊張してるんだろう。
近寄ってきた彼に、身体が固まってぎこちない笑みしか浮かべられない。
「すげぇ来るの早いのな。」
ふっかがやってきたのは待ち合わせの五分前。
だから別に、彼が遅れたわけではない。
『…たまたま家出るのが早かっただけ。』
本当は緊張しすぎて早めに出てしまったんだけど。
そんなことを感じ取られないように、ぶっきらぼうにそう言えばふっかは私の顔をジッと見て、
それから「へぇ、」と含んだような笑みを浮かべた。
『なに、』
「別に？」
『なんかニヤニヤしてる、』
「これはもともとこういう顔なんだよ、」
『確かにそうだった。』
「おい、そこは嘘でも違うって言えよ、」
そうツッコんだふっかはケラケラ笑って、上着のポケットに両手を入れて、
「行こっか。」
そう言って歩き出した。
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こゆき(プロフ) - *なべふか*さん» 最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました…！！そのように言っていただけてとても嬉しいです…！新作もよろしくお願いします！！ (2020年6月25日 10時) (
レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
*なべふか* - お疲れ様でした*ストーリー素敵過ぎです!!最後の展開は号泣でした､､､今読み終えすごくロスしております笑また1から読んでみようと思います^^ありがとうございました!新作も覗かせて頂きますﾈ!! (2020年6月25日 0時) (レス) id: 2b33477f89 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 名無し85099号さん» コメントありがとうございます…！！リアルですか…！嬉しいです！！こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました！今後もよろしくお願いします…！ (2020年6月24日 18時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
名無し85099号(プロフ) - ほんとになにかどこかのドラマか映画を見ている感覚になるほどストーリーが素敵でした！そしてまたふっかさんがリアル(涙)ほんとに面白かったです有難うございました！ (2020年6月23日 18時) (レス) id: ead5991952 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 希依良さん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！！とてもありがたいお言葉嬉しいです…！今後もよろしくお願いします！！ (2020年6月19日 10時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年6月1日 15時
