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彼が連れてきてくれたレストランは、正直私の予想をはるかに上回るレベルの、多分夜だったら割と値段のするところで。
小さくお洒落な音楽が流れていて、席からは港町が一望できる、海の上に浮いてるみたいな気持ちになるようなところ。
こういうお店を知ってるところは、さすがモテるだけあるなー、と。
…歴代の彼女ともこういうところに来ていたのかな、
なんて考えなくてもいいことが頭をよぎって、ふるふると頭を振って少し想像してしまった映像をかき消す。
前の彼女とかは今はどうでもいい。
今ふっかの前にいるのは私なんだから。
それがたとえ今日で最後だったとしても、今年彼と一緒に過ごしてるのは間違えなく私なんだ。
「どーよ、美味かったっしょ？」
ランチを終えて、店を出るとふっかが得意げにそう言って私に振り返った。
冷たい潮風が私の髪を掬う。
頬に張り付いた髪を指で払って、私は彼に頷く。
『…うん、美味しかった。』
周りはカップルだらけだったから、最初は緊張してちゃんと味わえるかな、なんて思っていたけど。
ふっかがいつも通り、話しかけてくれるおかげで少しだけその緊張は解れて、
昼間からこんなおしゃれなもの食べていいのかなんて思うくらい美味しかった。
『ふっかがこんなお店知ってるとは思わなかった。』
その言葉に、彼はふはっと軽い笑い声を漏らす。
「俺が知ってるのは居酒屋ばっかだと思ってた？」
『うん。』
「まあ確かにそれも間違ってないけど。」
飲み会の幹事とかしょっちゅうやらされるから安くて美味い居酒屋もいっぱい知ってるけど、こういうお洒落なとこの情報も結構持ってんだよ？
そう言って冗談っぽく笑って、ふっかは私を目を細める。
『…へぇ、さすが。』
私の言葉に微笑んだふっかは、ちらりと腕時計を確認して、「…ちょうどいいくらいか、」と呟く。
そんな彼に首を傾げた私を見て、ふっかは口を開いた。
「映画のチケットあるから観に行こ。」
『映画？』
「そ。この前公開されたばっかの最新作。」
『行く。これ見たかったやつだ、』
「…へぇ、」
ひらりと私の前にかざした二枚のチケットに書かれた題名を見てそう言えば、
ふっかがほんの一瞬だけ表情を曇らせたけど、それはまたすぐに元に戻って。
「なら良かった。」
そう優しい顔で私の頭を撫でた。
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こゆき(プロフ) - *なべふか*さん» 最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました…！！そのように言っていただけてとても嬉しいです…！新作もよろしくお願いします！！ (2020年6月25日 10時) (
レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
*なべふか* - お疲れ様でした*ストーリー素敵過ぎです!!最後の展開は号泣でした､､､今読み終えすごくロスしております笑また1から読んでみようと思います^^ありがとうございました!新作も覗かせて頂きますﾈ!! (2020年6月25日 0時) (レス) id: 2b33477f89 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 名無し85099号さん» コメントありがとうございます…！！リアルですか…！嬉しいです！！こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました！今後もよろしくお願いします…！ (2020年6月24日 18時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
名無し85099号(プロフ) - ほんとになにかどこかのドラマか映画を見ている感覚になるほどストーリーが素敵でした！そしてまたふっかさんがリアル(涙)ほんとに面白かったです有難うございました！ (2020年6月23日 18時) (レス) id: ead5991952 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 希依良さん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！！とてもありがたいお言葉嬉しいです…！今後もよろしくお願いします！！ (2020年6月19日 10時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年6月1日 15時
