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「生ビール、お待たせしましたー、」
ふっかはタイミングよく運ばれてきたビールのジョッキを手に取って、流し込むように飲んだ。
その様子を眺めながら、俺も黄金の液体で喉を潤す。
そっか、やっと気づいたんだな。
………あぁ、よかった。
予想外のタイミングだったけど、悪くはない。
Aの告白も、これで確実に上手くいく。
Aはふっかにフラれると思ってるみたいだけど、両想いだったと知ったらどんな顔するんだろう。
まずは目を見開いて、それから数秒固まって。
ほんのり頬を染めて嬉しそうに笑ったりするのかな。
そう思ったら、なぜか自然と頬が緩んで。
そんな俺を見たふっかが、「あー、もう、」と机に突っ伏した。
「お前なんなの、優しすぎるだろ、」
腕にグリグリと額を押し付けながら、少し子供っぽい口調に変わる。
酔ったにしては早すぎるけど、多分相当緊張してるところに一気に酒が入って気が抜けたんだろう。
…俺的にはさっきまで見たいな辛気臭い顔されるより、こういう砕けた雰囲気の方がありがたい。
固かった空気が、少しいつもの俺らの雰囲気に戻った。
「映画のチケットも、全部わかってて俺に渡したの？」
『あれはお前に渡したんじゃなくて、ふっか経由でAにあげただけだから。』
Aが一番一緒に過ごしたい人に、俺がしてやれない分を託しただけ。
ふっかは残りのビールを飲み干すと、少し赤らんだ頬と薄ら濡れた瞳で、言葉を繋げる。
「……ピアス、」
その言葉に右ポケットが少しだけ重くなった。
「あいつが照にもらったピアスが失くなったっていってたって言ってた。…お前がAのこと看病した次の日。」
Aの右耳に光っていたピアスは、俺のほんの少し欲の現れだった。
「で、それ聞いて思い出した。照が俺にクリスマスプレゼントはピアスにしろって言ったこと。」
一呼吸おいて、少しふて腐れた顔をしてるふっかが眉根を寄せて口を開いた。
「照、お前が持ってんだろ？Aの『持ってないよ。』
『…もう必要ないからどっかいったんだろ、』
相変わらず俺のポケットの中を支配する"それ"は、もう役目を果たしたんだしそろそろ俺の手から離さないと。
「照、」
『あ、すいません注文いいですか？』
まだ何か言いたげだったけど、それを遮るように俺は店員を呼んで、
ふっかはそんな俺を見て呆れたように笑った。
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こゆき(プロフ) - *なべふか*さん» 最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました…！！そのように言っていただけてとても嬉しいです…！新作もよろしくお願いします！！ (2020年6月25日 10時) (
レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
*なべふか* - お疲れ様でした*ストーリー素敵過ぎです!!最後の展開は号泣でした､､､今読み終えすごくロスしております笑また1から読んでみようと思います^^ありがとうございました!新作も覗かせて頂きますﾈ!! (2020年6月25日 0時) (レス) id: 2b33477f89 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 名無し85099号さん» コメントありがとうございます…！！リアルですか…！嬉しいです！！こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました！今後もよろしくお願いします…！ (2020年6月24日 18時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
名無し85099号(プロフ) - ほんとになにかどこかのドラマか映画を見ている感覚になるほどストーリーが素敵でした！そしてまたふっかさんがリアル(涙)ほんとに面白かったです有難うございました！ (2020年6月23日 18時) (レス) id: ead5991952 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 希依良さん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！！とてもありがたいお言葉嬉しいです…！今後もよろしくお願いします！！ (2020年6月19日 10時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年6月1日 15時
