211. ページ16
>Fukazawa side.
"Aさんが好きなのは、深澤さんじゃないですか。"
頭の中を駆け回るその言葉に、
じわじわと上がっていった体温。
目黒くんと別れた後、
何度もその言葉を頭の中で繰り返し思い返して、
嬉しさと、それから生まれた苦しさ。
言われてから数時間経った今もやっぱり素直に受け入れられなくて。
……好き？
Aが？
俺を好き？
『なんで？』
思わずそう声に出せば、隣で飯を食ってたサラリーマンにこいつ一人で何言ってんだ？って目で見られる。
俺は居心地が悪くなって、テーブルにある水の入ったグラスに手を伸ばした。
焼けつくように痛い喉の奥を、水を流し込んで冷やす。
透明な冷たい液体の塊が、時折突っかかりながら落ちていくのを感じながら、
『…はぁ、』
俺は深い溜息をついてスマホの電源を入れた。
照今終わったから、そっち行く
あと数分すれば照がここにやって来る。
目黒くんに話を聞いたあと、俺はすぐに照に連絡を取った。
どうしても今日会わなきゃいけないと思った。
あいつは全てを知ってるはずだから、会ったらあいつの口から全部を、ちゃんと聞かないとって。
…もしも、
もしも目黒くんが言うようにAが俺のことを好きだったとしたら。
"今年はふっかと過ごしたいかな。"
なんでAがあんなことを言ったのか、
どうして俺をクリスマスに誘ったのか、全部理解できる。
そして、照はそれを知った上で、
俺に頭を下げてまでAのことが好きだと言って。
わざわざ俺にAを諦めたと言いに来て。
"Aのこと、俺の分までにふっかが楽しませてあげて。"
照からもらった二枚の映画のチケットは、俺の財布の中。
あの時照はどんな想いで、そう言ったんだろう。
俺の親友は、俺とAの隣でいつもどんな想いでいたんだろう。
……あー、ダメだ。
考えただけで頭が痛くなる。
酒に酔ったわけでもないのに、襲ってきた頭痛。
こめかみをぐっと指で押さえて俯いていると、
「ごめん、遅くなって。」
俺の前の椅子を引いた、ゴツゴツした照の手が視界に入った。
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こゆき(プロフ) - *なべふか*さん» 最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました…！！そのように言っていただけてとても嬉しいです…！新作もよろしくお願いします！！ (2020年6月25日 10時) (
レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
*なべふか* - お疲れ様でした*ストーリー素敵過ぎです!!最後の展開は号泣でした､､､今読み終えすごくロスしております笑また1から読んでみようと思います^^ありがとうございました!新作も覗かせて頂きますﾈ!! (2020年6月25日 0時) (レス) id: 2b33477f89 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 名無し85099号さん» コメントありがとうございます…！！リアルですか…！嬉しいです！！こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました！今後もよろしくお願いします…！ (2020年6月24日 18時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
名無し85099号(プロフ) - ほんとになにかどこかのドラマか映画を見ている感覚になるほどストーリーが素敵でした！そしてまたふっかさんがリアル(涙)ほんとに面白かったです有難うございました！ (2020年6月23日 18時) (レス) id: ead5991952 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 希依良さん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！！とてもありがたいお言葉嬉しいです…！今後もよろしくお願いします！！ (2020年6月19日 10時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年6月1日 15時
