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「……Aさんがどんだけあの人のこと好きかわかったら俺も諦められるかなー、とか思って。」
まあ多分無理っすけどね、って目黒が冗談っぽく笑う。
だけどその裏に、辛そうな表情が垣間見えて胸がギュと痛くなって、
『どこが好きかとか、……そんなの考えられないくらい全部好き、かな。』
だからこそ私もちゃんと答えなきゃいけないと思った。
曖昧な返しは求めてないだろうから。
「……へぇ、」
『目黒、』
『私、ふっかが本当に好きなの。』
絡まる視線と視線。
真っ直ぐな彼には、真っ直ぐに言わなきゃ伝わらないだろうから。
私の言葉に、目黒の瞳が揺れた。
もう佐久間の時みたいに、曖昧な態度は取らない。
私はふっか以外のことは好きになれない。
『だから、「Aさん、これいります？」
言葉を発しようとした私の上から、パラパラと目黒が机に小さい袋を落とした。
『……チョコ？』
「頭動かしてたら疲れるでしょ？」
少し前のめりになった目黒は机に頬杖ついて私の顔を覗き込む。
『……ありがとう、？』
誰のせいで悩んでると思ってるんだか。
そう思いながらもチョコの誘惑には負けて、
チョコに手を伸ばして口に放り込んだくらいで、彼が口を開く。
「あ、ちなみに一個食べるごとに一回俺と遊びに行くって約束なんで。」
『は？』
「今一個食べたんで、今度一日どこかで時間くださいね？」
わけのわからない理由をつけて、目黒はゆるりと口角を上げた。
……なるほどね。嵌められたってわけだ。
目の前にいる目黒の表情くらい、口の中で溶けたチョコは甘い。
「っていうのは冗談で、」
私が警戒してるのが伝わったのか、彼が目を細めてちょっと笑って。
そのまま身体を起こして椅子の背もたれにもたれた。
「本当は今日、Aさんのこと誘おうと思って来たんすよ、ここに。」
私の手元のカップは、もう冷め始めてる。
一口飲んだコーヒーの苦味が、チョコの甘さと絡み合った。
私を見上げるような目黒の視線は、初めて会った時よりも何倍も柔らかくなってる。
「Aさんの一日、俺にくれませんか？」
「…さっき言おうとしてた言葉は、それが終わったあとにしてください。」
クリスマスイブまであと2週間。
目黒がまた、私に爆弾を落とした。
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ひすい - 面白すぎて一気に見てます、、！ふっかさんと両片思いに歓喜しながら、めめやひーくん切なすぎて今泣きながらコメント書いてます。笑色んな感情がぶわ〜って感じです！最高です！ (2020年12月12日 23時) (
レス) id: 85cba31a0e (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 名無し85099号さん» コメントありがとうございます！！そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです！！最後までよろしくお願いします…！！ (2020年6月3日 13時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
名無し85099号(プロフ) - ほんとに焦らされまくりました！本気でどの作品よりも主様のお話が一番好きです！大ファンです！最終章楽しみにしてます！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: ead5991952 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 凛華さん» こんにちは、コメントありがとうございます…！照もかわいそうな感じになっちゃいましたもんね…、どのような形でふっか以外の落ちも書くか、今いろいろ迷い中です…、とりあえずは完結まで明言はできませんが、今後もよろしくお願いします…！ (2020年5月28日 18時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - こゆきさん！こんにちは(^^)深澤くん、目黒くん落ちも需要あるって言ったのに、照くん落ちもすっごく見たいです……… (2020年5月28日 17時) (レス) id: 8c58893707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年5月13日 15時
