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『ふっか？どうしたの？』
ピアスを探そうとする私の腕を掴んだまま、何かを考えるようにじっと。
一点を見つめて動かない。
「……なるほどな、そういうこと。」
突然、そう呟いてふっかが私を見た。
「……A、俺が買ってあげるから今回は諦めろ。」
『は？』
ふっかが私の手を引いて、寝室から出ようと足を進める。
「…多分そのピアスはもう見つかんない。」
『ちょっと、どういうこと？』
「いいから。」
いいからって、なんでふっかがそんなことわかるの？
そう言いたかったけど、ふっかの纏う空気がそれを止めた。
……だって私をリビングに連れて行く彼の横顔が、すごく憂を帯びてたから。
「俺、今日はもう帰るわ。」
『え？…ご飯は？』
時間も時間だし、食べて行くかと思ってた。
こうして来てくれただけで嬉しいし、欲張りなのはわかってるけど、少しだけ寂しくなる。
「……また次来た時に取っとく。」
ふっかはそう言いながら、ちらりと私の耳を見て。
「ちゃんと寝るんだよ、」とか優しい言葉を呟いて玄関に向かう。
その横顔はやっぱりまだどこか少し切なさを含んでて、私はその後を追うだけ。
……次、か。
それがやってくるかは正直わからない。
もし私がクリスマスにふっかに告白して、それで気まずくなって今まで通りにはいかなくなったら、
その「次」はやって来ないかもしれない。
もし私がふっかの彼女だったら、行かないでって言うことも簡単なのに。
私にはそれは言えない。
……あぁ、またこの思考回路。
もうそんなことは考えないって決めたのに。
今まで何度か彼に気持ちを伝えようとした。
でもその度にフラれるのが怖くて、喉まで出かかった言葉は泡になって消えていった。
「じゃあ、また。」
靴を履き終えた彼が、立ち上がって私の方を向く。
『うん、来てくれてありがとう。』
「ちゃんと寝ろよ？」
しつこいくらいの確認に、私は「わかってるよ、」と笑って、ふっかもそれを見て口角を上げる。
「じゃあな。」
そう言ってふっかが出て行った後のドアは、パタリと音を立てて閉まった。
男女の友情って、すごく不安定な関係。
壊れるのもきっと呆気ないから。
……だけど、それを壊してまで伝えたいと思うくらい、
もう我慢できないくらい、彼が好きだ。私は。
彼のいなくなった部屋で、
私はソファーに倒れ込んでそんなことを思いながら、無機質な天井を仰いだ。
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ひすい - 面白すぎて一気に見てます、、！ふっかさんと両片思いに歓喜しながら、めめやひーくん切なすぎて今泣きながらコメント書いてます。笑色んな感情がぶわ〜って感じです！最高です！ (2020年12月12日 23時) (
レス) id: 85cba31a0e (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 名無し85099号さん» コメントありがとうございます！！そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです！！最後までよろしくお願いします…！！ (2020年6月3日 13時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
名無し85099号(プロフ) - ほんとに焦らされまくりました！本気でどの作品よりも主様のお話が一番好きです！大ファンです！最終章楽しみにしてます！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: ead5991952 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 凛華さん» こんにちは、コメントありがとうございます…！照もかわいそうな感じになっちゃいましたもんね…、どのような形でふっか以外の落ちも書くか、今いろいろ迷い中です…、とりあえずは完結まで明言はできませんが、今後もよろしくお願いします…！ (2020年5月28日 18時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - こゆきさん！こんにちは(^^)深澤くん、目黒くん落ちも需要あるって言ったのに、照くん落ちもすっごく見たいです……… (2020年5月28日 17時) (レス) id: 8c58893707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年5月13日 15時
