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『っ、大介、！』
無言のまま強引に引かれた私の腕。
いつもは私に優しく触れるのに、今はすごく荒々しくて。
履き慣れない下駄に転びそうになりながら、胸が苦しくなった。
…佐久間がこうなった理由はわかってる。
佐久間のこと好きになるって決めたのに、ふっかが来た途端コロリと変わってしまう私の気持ち。
ふっかに可愛いって言われただけで、
バカみたいに顔が熱くなって。
彼女と別れたって聞いて、最低だけど喜んでる自分がいて。
どうしたってふっかのこと諦められないってことを、
認めたくないけど、こんなのもう認めざるを得ない。
人混みを抜けて神社の奥の方に私を連れてきた彼は、
怒ってるとも泣いてるとも取れる表情で、私を壁に押し付ける。
背中から伝わる冷んやりとした感覚と、それと同時に重なった唇に感じる感触。
『…やっ、』
噛み付くようなキスから、佐久間の怒りと悲しみと、色んな気持ちが伝わってきて。
佐久間とキスしたのはこれが初めてではないけど、
こんな風に了承無しでしたのは初めてで。
私の中途半端な気持ちのせいで彼を傷つけてしまったと思うと、
胸が、息が、苦しくて。
訳もわからず涙が流れた。
その刹那、離れていった佐久間の体。
「…っごめん、俺、」
涙をこぼした私を見て、佐久間は傷ついたような表情をする。
…きっと泣きたいのは佐久間の方なのに。
荒くなった息を整えながら佐久間の方を見れば、彼は苦しそうに顔を歪めた。
「……ふっかから聞いたんでしょ？彼女と別れたこと。」
『っ、』
私の反応に、「そっか、」と佐久間が力なく笑う。
「この1ヶ月Aが隣にいてくれて、それがすげー嬉しくて。ふっかのこと好きでもいいやって。…その代わり絶対俺が幸せにしようって、そう思ってた。」
日の暮れた空は黒く、ポツポツと星が出てる。
佐久間の落とす言葉に、私の心臓がミシミシと音を立てて壊れそうに鳴く。
「…だけど本心では俺のことだけ見ててほしいって、ふっかのことなんか見ないでほしいって思ってて。」
「…そんなこと叶うわけないのにね。」
佐久間が吐き捨てるようにそう言って、涙に濡れた私の頬を親指で拭った。
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こゆき(プロフ) - 希依良さん» こんにちは！！ハマっていただけて嬉しいです泣 楽しんでいただけるよう、更新頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (2020年5月13日 21時) (
レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
希依良(プロフ) - こんにちは！おはなしの展開とかもう全部どハマりしまして、毎回更新されるのを楽しみにしてます(//∇//)無理なさらず、頑張ってください(^^)応援してます！ (2020年5月13日 17時) (レス) id: 82893a530e (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - まみさん» ありがとうございます！佐久間くんは皆さんが思ってる感じの雰囲気と違う感じになっちゃってるので違和感ないかな、と思ってるんですがそのように言っていただけて嬉しいです！！今後もよろしくお願いします！ (2020年5月12日 10時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - こゆきさんの物語の中で6月ならそうだし、11月ならそうだし、引き込ませる力があるなって思います！！佐久間くんの儚さ憂い感も絶妙です！胸が苦しくときめきます！ (2020年5月11日 23時) (レス) id: 0d3778baf6 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - めいさん» コメントありがとうございます！そのように言っていただけて嬉しいです泣 焦らしまくってるので皆さん飽きてないかな、なんて不安に思ってたので嬉しいです！更新頑張ります！！ (2020年5月11日 20時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年4月25日 0時
