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>Abe side.
目黒の家を出た後、Aちゃんと最寄り駅まで歩く。
いつもは何かしら会話のある彼女も、今はすごく静かで。
憂を帯びた横顔からは何を考えているのか読み取れない。
彼女の横顔を見ながら思い出すのはさっきの光景。
そろそろ食べ終わってるかな、なんて呑気にドアを開けたら、ちょうど目黒がAちゃんにキスしてるところで。
そのまま崩れ落ちた目黒を、彼女はそこまで驚く素振りを見せずに、ベッドに寝かせてて。
…あんなの見るなら、外になんか逃げなきゃよかった。
ポケットの中手を入れれば、さっき彼女にもらったストラップが指に触れて、
胸がギシッと音を立てて軋んだ。
「……あのさ、阿部くん、」
Aちゃんがいつのまにか解いていた長い髪を揺らして、俺の方を見る。
「…見てたよね？さっきの。」
『…うん、』
「やっぱそうだよね、」
そう言うと、彼女はポケットに突っ込んでいた手を出して、「…あー、もう、」と前髪をぐしゃぐしゃと掻き乱した。
「目黒にさ、ずっと好意を伝えられてるのね、私。」
まあ、それは見てたらわかる。
Aちゃんといるときのデレデレの目黒を見れば、一瞬で。
「……だけど私、ずっと好きな人がいて。」
舘さんから聞いていた、彼女の好きな人。
彼女の口からその言葉が出たのは初めてだったから、
やけに現実味を帯びて、今までに感じたことのないくらいの胸の苦しさが俺を襲う。
「…どうしたらいいと思う？」
下から俺を見上げるように向けられた視線。
彼女の綺麗な薄ピンクの唇がキュッと歪められる。
きっと彼女が言いたいのは、
どうやって目黒の気持ちににNOを伝えるのがいいのか
ってことなんだろう。
『…そう簡単には諦められないと思うよ。』
…俺も含めて、ね。
俺に至っては、叶わないとわかった上で彼女を好きになったんだ。
そう簡単にこの気持ちを消し去ることはできない。
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こゆき(プロフ) - 希依良さん» こんにちは！！ハマっていただけて嬉しいです泣 楽しんでいただけるよう、更新頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (2020年5月13日 21時) (
レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
希依良(プロフ) - こんにちは！おはなしの展開とかもう全部どハマりしまして、毎回更新されるのを楽しみにしてます(//∇//)無理なさらず、頑張ってください(^^)応援してます！ (2020年5月13日 17時) (レス) id: 82893a530e (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - まみさん» ありがとうございます！佐久間くんは皆さんが思ってる感じの雰囲気と違う感じになっちゃってるので違和感ないかな、と思ってるんですがそのように言っていただけて嬉しいです！！今後もよろしくお願いします！ (2020年5月12日 10時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - こゆきさんの物語の中で6月ならそうだし、11月ならそうだし、引き込ませる力があるなって思います！！佐久間くんの儚さ憂い感も絶妙です！胸が苦しくときめきます！ (2020年5月11日 23時) (レス) id: 0d3778baf6 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - めいさん» コメントありがとうございます！そのように言っていただけて嬉しいです泣 焦らしまくってるので皆さん飽きてないかな、なんて不安に思ってたので嬉しいです！更新頑張ります！！ (2020年5月11日 20時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年4月25日 0時
