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目黒とベンチで二人、座りながら口の中で飴玉を転がす。
じわりと溶けてくる甘味が染みて、ぼけーっとしてると震えたスマホ。
目黒も同じタイミングで通知が来たらしく、画面を見れば翔太からで。
『早く帰ってこい、だって。…そういや二人のこと置いてきてたんじゃん、私たち。』
「忘れてました、俺。」
戻ったらまた翔太くんに怒られるな、と目黒が笑う。
『またって、前に怒られたの？』
「あー、はい。」
『なんかしたの？』
「内緒です。」
聞けば、ちょっと意地悪な目をして目黒が口角を上げた。
…別にそこまで知りたいわけじゃないけどさ。
そういう言い方されると気になるよね。
『…ふーん、まあなんでもいいけど。』
飴の入ってた袋をポケットに突っ込んで立ち上がる。
クシャリと袋の潰れる音がした。
『戻ろっか。』
そう言って振り返ったのと同じ頃。
ケホケホと、目黒が咳き込む。
『大丈夫？』
「大丈夫っす。ちょっと最近風邪気味で。」
『…飴、もう一個あげよっか？』
そう言って座ってる彼の顔を覗き込めば、
「Aさん、」
目黒と視線がぶつかって、腕を掴まれる。
『ちょ、』
そのままグッと目黒の方に引かれて、バランスを崩して倒れ込む。
そういや前にもこんなことあったな、なんて。
呑気に考えてるうちに、体はもう目黒のテリトリーの中。
「騙されましたね。」
ニヤリと形の良い唇を上げて、目黒が私を見る。
…あぁ、思い出した。
前にこいつと二人で出掛けた時にもおんなじようなことがあった。
『……ここ外なんだけど。』
「外じゃなかったら良いんですか？」
『そういうことじゃない。……離して。』
私を見つめる目黒の瞳が熱っぽく揺れてる。
ダメだこれ、早く離さなきゃ。
なんで？どこでスイッチ入れた？私。
掴まれた腕を動かそうとしてもびくとも動かない。
グッと力を入れたからか、口の中の飴がガリッと音を立てて割れた。
…こういう時、女って損だよね。力じゃ敵わないから。
近づいてきた目黒の無駄に整った顔。
慌てて顔を背けようと首を動かそうとすると、彼の手がそれを阻止した。
顎に指がかかって、
……あぁ、もう終わった。
私の行動のどこに隙があった？
どこで隙をつくってしまった？
じわりじわり。
もう、すぐそこだ。すぐ目の前に気配がする。
その距離が限りなくゼロに近づく直前で、
私はギュッと目を瞑った。
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こゆき(プロフ) - 凛華さん» コメントありがとうございます！需要ありますか！私も目黒落ち書きたいなーと思ってるので本編終わったら書いてみますね、ありがとうございます！ (2020年4月25日 22時) (
レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 余力があれば！目黒落ちもお願いします★需要あります…！コメント失礼しました。いつも楽しく読ませて頂いてます(^^)これからも楽しませてください (2020年4月25日 1時) (レス) id: 8c58893707 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - うたさん» コメントありがとうございます！ふっか動きましたねー、これからをお楽しみにしていただけたら嬉しいです！ありがとうございます、私のペースで頑張ります！ (2020年4月22日 23時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
うた(プロフ) - コメント失礼します。ふっかさんどうするんだろうって思ってたんですが、動き始めておおお！となっております！！これからもこゆき様のペースで更新がんばってください(^^) (2020年4月21日 18時) (レス) id: ac1778f4fd (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - milkmilkmilk723さん» ふっか、ここからどんどん動きますよー！笑 今後もよろしくお願いします！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年4月8日 14時
