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「辰哉くん、どうしたの？ぼーっとして。」
『え？あぁ、悪りぃ。なんだっけ？』
そう言って笑いかければ、目の前に座る今の俺の彼女のがゆるく巻かれた髪を揺らして微笑んだ。
そう、俺には彼女がいる。
この学校に入って、この子で３人目。
可愛いと思う。普通に。
この子が好きかと聞かれたら、好きだと答えられる。
でも昨日、
あの2人が付き合ったと聞いて俺の胸はバカみたいにひどく痛んだ。
なんとなく気付いてたけど、その瞬間はっきりとした形を持って、俺はAへの自分の想いに気づいてしまった。
この子に対する好きと、あいつに対するそれの重みの違いに。
俺は気づいてしまった。
そして気づいてしまったから、
俺はそれをそっと胸の中にしまった。
「あ、ねぇ見て辰哉くん！あの2人付き合ってたって知ってた？私今日友達に聞いてびっくりしたんだけどさ、」
彼女の指差した方。
Aと佐久間が2人で話してる。
『…あぁ、昨日聞いたよ。本人に。』
「仲良いもんね、辰哉くん。あの2人と。」
俺の腕に自分の腕を絡めて、彼女は下から見上げるように俺を見つめて笑う。
「王子も恋とかするんだねぇ、ってみんな言ってたよ。」
"王子"
クールに見えるからそういう風に言われてるんだろうけど。
でもほんとは、そんなに男っぽいやつでもないことを俺は知ってる。
実際はよく笑うし、俺らにはちゃんと感情を表に出す。
甘いものには目がなくて、意外と優柔不断で。
「辰哉くん、」
俺の腕を引いた彼女に「ん？」と返せば、
「どうしたの？なんか悲しそうな顔してる。」
彼女はそう言って俺の前髪を触った。
『ははっ、気のせいだろ。』
「えー、でも今なんか、『気のせいだよ。』…そう？」
そう、気のせい。
昨日の帰り道、決めたから。
俺はあの2人を応援するって。
"おめでとう"
ちゃんと声に出せてたかな、あれ。
変な感じになってなかったかな。
風に吹かれて揺れたAのショートヘア越しの、彼女の顔からは表情が読めなかったけど。
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好きな子に好きな人がいたらどうする？
しかもその2人が自分の親友だったら？
俺は2人が幸せならそれでいいと思った。
2人とも俺の大切な人だから。
だから俺は高2の夏。
キミへの想いを、心の奥にしまい込んだ。
ーーーもう二度と溢れ出すことがないように。
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こゆき(プロフ) - 凛華さん» コメントありがとうございます！需要ありますか！私も目黒落ち書きたいなーと思ってるので本編終わったら書いてみますね、ありがとうございます！ (2020年4月25日 22時) (
レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 余力があれば！目黒落ちもお願いします★需要あります…！コメント失礼しました。いつも楽しく読ませて頂いてます(^^)これからも楽しませてください (2020年4月25日 1時) (レス) id: 8c58893707 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - うたさん» コメントありがとうございます！ふっか動きましたねー、これからをお楽しみにしていただけたら嬉しいです！ありがとうございます、私のペースで頑張ります！ (2020年4月22日 23時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
うた(プロフ) - コメント失礼します。ふっかさんどうするんだろうって思ってたんですが、動き始めておおお！となっております！！これからもこゆき様のペースで更新がんばってください(^^) (2020年4月21日 18時) (レス) id: ac1778f4fd (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - milkmilkmilk723さん» ふっか、ここからどんどん動きますよー！笑 今後もよろしくお願いします！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年4月8日 14時
