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>Fukazawa side.
「やばい、食べ過ぎた。」
居酒屋を出て通りを歩き出した頃、Aがお腹のあたりを押さえて笑う。
Aの白いスニーカーが、ガヤガヤと騒がしい繁華街の中で明るいネオンの光を反射した。
『お茶漬けの後にラーメンも食べたからだろ。』
「だってふっかの見てたらラーメンも食べたくなったんだもん、」
黒のスキニーに少し大きめのジャケットを羽織る彼女は、ジャケットのポケットに手を突っ込みながら口元をゆるりと緩める。
…やっぱすげーな、お前は。
そんな動作ひとつで絵になるんだから。
『言ってくれたら俺のちょっとあげたのに。そんなに腹減ってなかったから、』
「それはできない。」
『なんで？』
「そのくらい察して。」
その言葉に首を傾げれば、「…ほんとふっかって鈍感。」とため息をつかれる。
鈍感って、意味わかんねーんだけど。
お前が俺のラーメン食うのの何がいけないの？
そんなことで頭を悩ませていると、俺の視界の端に突然現れた影。
「っぶな、」
前から歩いてきた酔っ払いにぶつかられて彼女の体がぐらっと揺れて、
咄嗟に出た俺の腕が、彼女の体を支えた。
「おー、わりぃなネーチャン、」
Aに適当にヘラヘラした顔で謝って、酔っ払いのおじさんはふらふらとした足取りで行ってしまう。
『大丈夫？』
「…うん、ごめん、」
バランスを取るために俺の腕をギュッと握ったAが顔を上げる。
ほとんど身長差のない俺たち。
騒がしい繁華街、
その道のど真ん中で。
バカみたいに近くにあるAの目が、驚いたように見開かれたのが見える。
Aの手が触れた俺の腕から、じわりじわりと。
熱が逆流するみたいに俺の内側に流れ込む。
……あぁ、開いたわ。
掛けたはずの心の中の箱の鍵が、ガチャリと。
結局俺は全然忘れられてなかった。
俺の頭を掠めるのはさっきのAの首筋に浮かぶ赤い痕と、
今日、駅で会った時に彼女からした知らない匂い。
…いや、正確にはここ最近やたらとする匂い、か。
見て見ぬ振りをしようと思ったそれらは、気づかぬうちに思っていたより俺の心の奥を攻撃していたらしい。
Aと佐久間が付き合ったと聞いたあの日にしまい込んで忘れようとしたはずの想いは、
5年の月日をかけて何故か今、溢れ出した。
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こゆき(プロフ) - 凛華さん» コメントありがとうございます！需要ありますか！私も目黒落ち書きたいなーと思ってるので本編終わったら書いてみますね、ありがとうございます！ (2020年4月25日 22時) (
レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 余力があれば！目黒落ちもお願いします★需要あります…！コメント失礼しました。いつも楽しく読ませて頂いてます(^^)これからも楽しませてください (2020年4月25日 1時) (レス) id: 8c58893707 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - うたさん» コメントありがとうございます！ふっか動きましたねー、これからをお楽しみにしていただけたら嬉しいです！ありがとうございます、私のペースで頑張ります！ (2020年4月22日 23時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
うた(プロフ) - コメント失礼します。ふっかさんどうするんだろうって思ってたんですが、動き始めておおお！となっております！！これからもこゆき様のペースで更新がんばってください(^^) (2020年4月21日 18時) (レス) id: ac1778f4fd (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - milkmilkmilk723さん» ふっか、ここからどんどん動きますよー！笑 今後もよろしくお願いします！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年4月8日 14時
