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寝ぼけてるんだろうか。
ほんの少しだけ開いた彼の目には何も映っていなそう。
彼に掴まれた部分に私の意識が集中する。
「…またあの匂い。」
『え？』
ボソリと、私のことを見ることなく呟かれた言葉。
起きてるのか寝てるのかわからない。
伏せられた目からはなんの感情も読み取れない。
「…俺が鍵失くした日と同じ匂いがする。」
ふっかが鍵を失くした日、つまりそれは先週の土曜日のこと。
匂い？なんのこと？
ふっかの言葉に私の頭にはてなが浮かぶ。
彼の言葉の意味を理解しようと頭を動かしていると、ふっかがちょっとだけ私を掴む力を強める。
その動作に、ふっかを見れば今度はパチンとあった視線。
…あれ、起きたのかな。
「…俺、この匂い嫌い。」
子供みたいにそう言って、ふっかは口を尖らせた。
『嫌いって、そんな匂う？』
「普段のお前は良い香りなの。この匂いはやだ。」
さっきよりは少し酔いが覚めてきたのか、私の腕を放すとまだ少しフラフラしながらカウンターから身を起こす。
「…また会ったの？この前の、後輩だっけ？そいつと。」
……また目黒の話。
『…なんでわかんの、』
「だーから、匂いすんの。」
あまりにも匂い匂いうるさいから私も気になって、手首のところを嗅いでみるけど、特になんの匂いもしない。
『別にしないけど、』
「俺にはわかんの。」
ふふん、と何故か自慢げに笑うもんだから、私もつられて笑ってしまう。
『意味わかんない。』
きっと酔っ払いの戯言だろう。
そう言えば、ヘラヘラと笑ってまたビールに手を出そうとする彼。
『ふっか、今日はもうやめとこ。そろそろ帰ろ。』
「んー、でもまだ残ってるし、」
『お酒弱いんだから、そんなに酔うまで飲んじゃダメだよ。』
ふっかからグラスを奪い取って、店を出る準備をさせる。
ゆらゆら揺れるふっかの体を支えながら、私たちは店を出た。
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こゆき(プロフ) - 凛華さん» コメントありがとうございます！需要ありますか！私も目黒落ち書きたいなーと思ってるので本編終わったら書いてみますね、ありがとうございます！ (2020年4月25日 22時) (
レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 余力があれば！目黒落ちもお願いします★需要あります…！コメント失礼しました。いつも楽しく読ませて頂いてます(^^)これからも楽しませてください (2020年4月25日 1時) (レス) id: 8c58893707 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - うたさん» コメントありがとうございます！ふっか動きましたねー、これからをお楽しみにしていただけたら嬉しいです！ありがとうございます、私のペースで頑張ります！ (2020年4月22日 23時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
うた(プロフ) - コメント失礼します。ふっかさんどうするんだろうって思ってたんですが、動き始めておおお！となっております！！これからもこゆき様のペースで更新がんばってください(^^) (2020年4月21日 18時) (レス) id: ac1778f4fd (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - milkmilkmilk723さん» ふっか、ここからどんどん動きますよー！笑 今後もよろしくお願いします！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年4月8日 14時
