09. ページ10
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みんなのいるコートに入ろうとドアを開けようとした時、
「A？」
その声に体がぴくりと反応する。
声だけで、振り返らなくても誰だかわかる。だってずっと聞いてきた声だもん。
『…ふっか、』
ゆっくり声の主の方に振り返れば、案の定ふっかが驚いたように私を見てた。
深「遊びに来てたんだ？」
お店のロゴの入ったちょっとダサい制服を着てる彼が、私と私の隣に立つ目黒くんを見てそう言う。
『大学の友達に誘われたんだ。ここでバスケしてた。』
深「へー、じゃあお隣の君も？」
ふっかの視線が目黒くんへと移る。
『この子は私の友達の後輩。』
目「どうも。」
興味津々な様子で目黒くんを見るふっかに、目黒くんも軽く会釈する。
深「友達って男？」
『え？…うん、そうだけど。』
深「…そっか。まああれだ、楽しんでけよ、」
そう言うと、ふっかは私の頭を軽く撫でて仕事に戻ってしまって、取り残された私に目黒くんが、あの、と声をかける。
目「今の人、Aさんの知り合いですか？」
『…うん、高校の時からの友達。』
目「へー、友達。」
仲良いんですね、と言う目黒くんにうなずく。
確かに仲はめちゃめちゃ良い。友達というポジションにおいては、だけど。
目「最初てっきり彼氏とかかと思いましたよ。」
彼氏、その言葉に少しだけ胸の奥が痛くなる。
…そうだったらいいんだけど、
初対面の人にはよく言われる。
私とふっかの距離が近いから、恋人かと思ったって。
そんな風に言われる度に、嬉しいけど嬉しくないみたいな複雑な気持ちになる。
私も思うんだ、たまに。
こんなに近くにいて、こんなにふっかのこと理解してて、
ふっかの恋人選手権があったら確実に一位取れる自信があるのに、
なんでこの人は私のこと好きにならないんだろうって。
…なんで私は友達で止まっちゃうんだろうって。
目「Aさん？」
私が暗い表情をしてたのか、目黒くんは心配そうに私の顔を覗き込む。
『っ、なんでもない。ほら早く行こ、みんな待ってるし。』
と無理やり作った笑顔でごまかして、目黒くんを部屋の中に押し入れれば、彼はちょっと不思議そうに私を見てたけど、
目黒くんを見つけて嬉しそうに突撃してきた向井くんに絡まれてみんなの方に連れて行かれた。
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こゆき(プロフ) - s h i r oさん» はじめまして！コメントありがとうございます！！続きもよろしくお願いします！ (2020年4月26日 10時) (
レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
s h i r o(プロフ) - はじめまして！すっごく面白くて一気読みしちゃいました(*^^*)素敵なお話ありがとうございます。主人公の想いにふっか全然気づかない(笑)続きも楽しませて頂きます！ (2020年4月26日 8時) (レス) id: 3ebc1b1e33 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 美香さん» わー！美香さん、二度目まして！コロナで暇になっちゃって、妄想が進みます笑 私も書いてて主人公がかわいそうになってきて、早く気づけよと思ってる次第です。今後の展開をお楽しみにしていただけたら嬉しいです！いつもありがとうございます！ (2020年4月8日 14時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - まみさん» コメントありがとうございます！私も妄想しながら鼻息荒くなってます笑 そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです！今後もよろしくお願いします！ (2020年4月8日 14時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
美香(プロフ) - 二度目まして〜！更新いっぱいで嬉しいです。めめのグイグイ来てる感じもよきですし、阿部ちゃんと水族館デートも気になるし、ふっかの思わせぶりににやにやしつついい加減好きって気付けよって感じだしうわぁーって感じです笑 (2020年4月7日 22時) (レス) id: 304d060524 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年3月11日 14時
