31. ページ32
.
バイトを終えて、駅までちょっと急ぐ。
待ち合わせで指定された場所に来たものの、目黒の姿はなく、彼に電話をかける。
ーーもしもし、
『あー、目黒？駅着いたんだけどあんた今どこにいるの？』
ーーあー、
目黒の低い声が電話越しに耳に響く。
ふと、視界が暗くなって、…これはきっと目黒だな。
「Aさん、」
『…何してんの。』
私の目を覆った目黒の手を掴んで払い除けようと、目黒の腕を掴んで振り払おうとすると、今度は逆に私の腕が掴まれた。
「相変わらず素っ気ないですね。」
『当たり前でしょ。大体あんたと会うのまだこれで2回目なんですけども。』
馴れ馴れしすぎないか、こいつ。
掴まれた腕をぶんぶん振ると、目黒の手が私の腕から手へと移動する。
『…ねぇ、ふざけてる？』
「ふざけてないっすよ。今日はデートなんだからいいじゃん、」
目黒がそう言って私の手を握る。
『デートじゃない。ただ2人でどっか行くだけ。』
「いやデートです。」
『違う。』
「デートですよ、ほら行こ。」
私の手を握ったまま、歩き出した目黒。
『ちょっと、このまま行く気？』
「文句は受け付けてないです、」
『文句じゃなんだけど、』
「なに言われても離さないんで。」
見せ付けるように、私の顔の前に繋がれた手を持ってくる。
あー、もう。マジでむかつくんだけど！
苛々してる私を見て、ニヤニヤと笑う目黒。
…こいつ性格悪いな。
「Aさん、今日はこの前とちょっと服装違うんですね。」
私の服に目黒の視線を感じる。
『…この前のは大学行く用だからね。突然決まったから、』
「じゃあ今日は考えてきてくれたんですか？」
『…別に。あんたモデルだからあんまり気抜いた服にして横に並んで惨めになったら困るから、ちょっといい服にしただけ。』
「へぇ、」
その服似合ってますよ、って。
耳元で言われたから驚いて目黒を見れば、また怪しい笑みを浮かべる。
…ほんと、むかつく。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4420人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こゆき(プロフ) - s h i r oさん» はじめまして！コメントありがとうございます！！続きもよろしくお願いします！ (2020年4月26日 10時) (
レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
s h i r o(プロフ) - はじめまして！すっごく面白くて一気読みしちゃいました(*^^*)素敵なお話ありがとうございます。主人公の想いにふっか全然気づかない(笑)続きも楽しませて頂きます！ (2020年4月26日 8時) (レス) id: 3ebc1b1e33 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 美香さん» わー！美香さん、二度目まして！コロナで暇になっちゃって、妄想が進みます笑 私も書いてて主人公がかわいそうになってきて、早く気づけよと思ってる次第です。今後の展開をお楽しみにしていただけたら嬉しいです！いつもありがとうございます！ (2020年4月8日 14時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - まみさん» コメントありがとうございます！私も妄想しながら鼻息荒くなってます笑 そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです！今後もよろしくお願いします！ (2020年4月8日 14時) (レス) id: 0585c4282d (このIDを非表示/違反報告)
美香(プロフ) - 二度目まして〜！更新いっぱいで嬉しいです。めめのグイグイ来てる感じもよきですし、阿部ちゃんと水族館デートも気になるし、ふっかの思わせぶりににやにやしつついい加減好きって気付けよって感じだしうわぁーって感じです笑 (2020年4月7日 22時) (レス) id: 304d060524 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こゆき
| 作成日時：2020年3月11日 14時
