14話 ページ16
「なら...。」
そう言って、太宰さんの人差し指が
私の唇に触れる。
「"此処も"奪ってしまっていいのかい?」
好きなのかは、分からない。
でも、今は凄く、奪って欲しい。
何もかも、全てを。
『...はい。』
「ふふっ...、お望みのままに。」
そう言って、唇に触れる暖かい感触。
心地好ささえ感じる其れに、思考が犯’される。
お兄ちゃんじゃない、でも、何だろ...、
もっとして欲しい。
一時的なものでも、心に空いてしまった穴が
塞がっていくのは気分がいい。
「...そんな顔をされてしまったら、
私も理性がもたないのだけれど?」
『...ごめん、なさい。』
「謝ることではないよ。
...Aちゃん、最後まで、
奪って欲しいかい?」
『最後...?』
「おや、知らないのかい?
...なら、教えてあげよう。
君の知らないこと、今からね?」
その言葉に、只コクリと頷く。
ごめんね、お兄ちゃん。
可笑しいね、私、お兄ちゃんが好きなのに。
再び降ってきたキスはさっきより長くて、
余計思考を溶かされる。
...その日、私は太宰さんと一線を越えた。
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kuloneko♪(プロフ) - らいるさん» いえいえ。楽しんでいただければ嬉しいです。 (2017年5月21日 12時) (レス) id: af92407c74 (このIDを非表示/違反報告)
らいる - 更新ありがとうございます!!! (2017年5月21日 10時) (レス) id: 2e23b97e97 (このIDを非表示/違反報告)
kuloneko♪(プロフ) - らいるさん» コメントありがとうございます!できるだけ早く更新が出来るよう頑張りますね。 (2017年5月20日 15時) (レス) id: af92407c74 (このIDを非表示/違反報告)
らいる - 夢主ちゃんかわいそうですね 続きがすごく気になるので 更新お願いします!!待ってま~す (2017年5月20日 14時) (レス) id: 2e23b97e97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kuloneko♪ | 作成日時:2017年5月18日 21時