11話 ページ13
太宰side
今隣で泣きつかれて眠っているのは、
完璧なまでに玉砕してしまったAちゃん。
「...やっぱりこうなると
思っていたのだよ。」
中也の事だ。
今頃、罪悪感に蝕まれていることだろうねぇ。
「ごめんね、Aちゃん。」
さらりと、夕日色の髪をすく。
『んっ...。』
「多分、私は酷い奴なんだろうねぇ。
でも、其れほど君に恋い焦がれているのだよ。
中也なんて、見ないで呉れ給え。
私だけを見て呉れ。
私なら君を幸せにできる。」
態々、辛い道を行く必要はない。
逃げてしまえばいい。
兄が好き、という現実から。
其れくらい、誰も咎めない。
皆が皆、そうやって生きているのだからね。
でも、其れでも、中也の方がいいと
言うなら...。
否、止めておこう。
私は、この子には自由に生きてほしいからね。
私は君のために何でもしよう。
中也が君に傾くまで、君に尽くしてあげる。
「私も甘くなったなぁ...。」
自嘲するような笑みが、静かな部屋に響いた。
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kuloneko♪(プロフ) - らいるさん» いえいえ。楽しんでいただければ嬉しいです。 (2017年5月21日 12時) (レス) id: af92407c74 (このIDを非表示/違反報告)
らいる - 更新ありがとうございます!!! (2017年5月21日 10時) (レス) id: 2e23b97e97 (このIDを非表示/違反報告)
kuloneko♪(プロフ) - らいるさん» コメントありがとうございます!できるだけ早く更新が出来るよう頑張りますね。 (2017年5月20日 15時) (レス) id: af92407c74 (このIDを非表示/違反報告)
らいる - 夢主ちゃんかわいそうですね 続きがすごく気になるので 更新お願いします!!待ってま~す (2017年5月20日 14時) (レス) id: 2e23b97e97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kuloneko♪ | 作成日時:2017年5月18日 21時