海兵と海賊 ページ6
ナハルside
僕は、この島に住んでいる。
ある日市場で買い物をしていたら、今まで見た中でも最高に可愛い子に一目惚れした。
いざ話してみると、優しいし、それに話し上手で聞き上手。
絶対に彼女にしたいと思った。
貴女「クロコダイル、紹介するね。
彼はナハル。ナハル、お父さんのクロコダイルよ」
クロコダイル「･･･」
ナハル「は、はじめまして」
貴女「さっきナハルから好きって言われたの」
ナハル「Aちゃん？！」
Aちゃんのお父さんが睨みをきかせて見下してきた。
怖すぎる。
背も大きくて、厳つい。なにより厳つすぎる。
Aちゃんみたいな可愛い子がこの人の血を受け継いでるとは思い難い。
クロコダイル「俺の娘が好きだと」
ナハル「た、確かにそう言いましたっ。
ぼ、ぼぼぼ僕は、彼女が好きで」
貴女「でもクロコダイルから離れたくないから付き合えないって言ったら、クロコダイルに話をするって」
クロコダイル「ほう。ならば俺とコイツを納得させる理由があるんだろうな」
ナハル「はひ･･･」
今にも失神してしまいそうな威圧感。
何も考えてなかった頭をフル回転させて、なんとか言葉を絞り出す。
ナハル「僕の、両親は、海兵でして」
クロコダイル「海兵？」
ナハル「は、はい。遠い基地に勤めておりますので、僕一人でこの島に住んでいます。
将来は両親のような立派な海兵になって、必ずAちゃんを幸せに」
貴女「待って」
ナハル「へ？」
貴女「両親が海兵？あなたの夢は海兵？」
ナハル「う、うん。だから君のことを海賊から守ってやれるよ」
貴女「海賊から」
ナハル「海賊っていうのは野蛮なんだよ。
横暴で、優しさのかけらもない鬼のような奴らさ」
貴女「･･･私は海賊よ」
あぁ、まずい。
あの目は、ダメだ。
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作者名：ちいぱっぱんつ | 作成日時：2021年3月19日 15時
