82 ページ33
えぇ？！と声を上げて驚いている私を置いてずんずんと街の方へと進んでいくブルーク様。国の幹部であろうお方がこんなちっぽけなやつにデートなんてやるものじゃないだろう…！
『待って、待ってください。ブルーク様！』
br「ん〜？どうしたの？」
待って、と言ってもブルーク様は一向に足を止めない。いったいどこに向かっているのだろうか…と思っていると、しばらくしてとある屋台に着いた。
br「おっちゃん！串焼き二つ！」
「あいよ！しっかし珍しいなぁ、ブルーク様が幹部様じゃない他の誰かと一緒にくるなんて！」
br「まぁね〜」
そんな会話を横目に屋台の中を覗いてみるとそこにはサイコロ上になった牛肉が串に刺され、格子状の網の上で焼かれている、いわゆる一般的な串焼きが並べられていた。
少し街に降りてこなかった間にこんな屋台ができていたのか。前までは品のいい食料品店はおろか飲食店すらなかったのに。
「串焼き二つ、おまちどおさま！」
しばらく待っていると心地の良い店主の声とともに、こんがりと焼けアツアツの串焼きが二つ出てきた。そのうちの一本を私に渡すとブルーク様は大きな口を開けてがっついた。焼きたてで熱いのかはふはふ、と口をすぼめて食べ進めていく。
br「どうひたの？食べよ？」
串焼きに手を付けない私を見て食べるように促すブルーク様。…正直言って私はまだこの国の食に慣れている気がしない。今まで食べてきたものは全て自分で作ってきたものだから食べられたものの、あのぞうすい以外の他の人が作った食事を食べるのはあの食堂以来じゃないか？
ここに来て初めての食事があまりにも悲惨なものだったからあまり外での食事は控えてきたのだけれど…
『(これ、めちゃくちゃ美味しそう…！)』
この串焼きはなんだか今までと違う気がする。焼けた肉の香ばしい香り、串焼きから香る微かな香辛料、あのときとは違う真っ黒ではなく程よく焼けた断面……
目の前の串焼きに喉をごくり、と鳴らし熱々の串焼きから立ち上がる香りを感じながら私は思い切り……かぶりついた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 812人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わみん(プロフ) - るあさん» コメントありがとうございます〜！ わわっ！大好きだなんて…！それに私もあの場面は好きな場面の一つなのでそう言っていただけて嬉しいです…！😭✨ 更新はゆったりですが、最後まで読んでいただけると幸いです！ありがとうございました‼︎ (4月25日 5時) (
レス) id: 325f8d942a (このIDを非表示/違反報告)
るあ(プロフ) - 新鮮な気持ちで見れました！この小説大好きです！更新応援してます、！個人的に主人公がまだ訓練してた時にご飯食べてたらshさんがいて初対面のshさんに怯える主人公のシーンがお気に入りです！ 最近またウィルス流行ってるらしいので体に気をつけて下さい、、！ (4月23日 1時) (レス) @page33 id: cdc395c024 (このIDを非表示/違反報告)
るあ(プロフ) - 主人公が料理人って小説はたまに見かけるなーって思ったんですけどそれに加えて軍パロ要素が入ってる小説見かけた事なかったので(軍パロだと主人公がメイドなりスパイなりが多い印象) (4月23日 1時) (レス) @page33 id: cdc395c024 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - shion0702112さん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません…🙇そう言ってくださるとモチベがとっても上がっちゃいます…！ありがとうございます…‼︎😌✨一応終わりまでは考えているので最後まで見届けていただけたら嬉しいです☺️ (12月30日 13時) (レス) id: 325f8d942a (このIDを非表示/違反報告)
shion0702112(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて次のページめくるの物凄くわくわくしながら読んでました！ 更新待ってます...! (12月27日 23時) (レス) @page17 id: e2f39f84a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わみん | 作者ホームページ：
作成日時：2023年9月14日 22時
