気付かされた ページ10
私が犬になって3週間が経った。つまり…
「Aが姿を消して、3週間か…。」
『(そんな顔しないでよ
「仲間1人見つけ出せないで、何が警察官だ…!」
零が、もたれていた壁に向かって強く強く肘を打ち下ろす。
どれだけ探しても手掛かり1つ見つからない。当然だ、ただ単純に失踪した訳じゃないのだから。私だって、できることなら元の姿に戻って皆に会いたい
『(でもずっと引っかかってる)』
"大切な人の命を救えるとしたら____"
あの夢は一体どういうことなんだ、あの夢のせいで私はこの体になったのか?大切な人って誰のこと?
この3週間、何度も何度も繰り返し考え続けた議題。考えてるだけじゃ答えは出ない。一生出ない。
『(でも、もしかしたら大切な人って…)』
相変わらず辛気臭い面を並べる男共。そんな中1人、私に向かって歩いてきたと思えば、ひょいっと抱き上げられた。
「ほわちゃんなら、Aちゃんを見つけ出してくれると思ったんだけど…」
『っ…!』
なんだ、この気配。萩から漂う、異臭?いや匂いは普通なんだけど。
…あ、そう言えば聞いたことあったっけ、犬には病気になりそうな臓器などを匂いで嗅ぎ分けられる、と。死相って言うやつ?
直ぐに私はそれに似たモノだと直感した。
警察歴マイナス1週間、犬歴3週間の私の勘によると…
____萩はこれからの1年のどこかで死んでいた。
っ…、
『萩っ…!!!』
「え、Aちゃん…?」
「どうした?萩原」
「あ、…いやなんでもない」
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作者名:わわまま x他1人 | 作成日時:2024年3月16日 21時