一緒に ページ49
『ま、…だ』
「A…生きてるか…」
『生きてる、けど……足動かない』
「そうか…」
先程松田が解体した爆弾に、引火したのか爆発が再度起こり、ビルが崩れ始め、屋上から落ちてしまった。
『あー、妹の花嫁姿見たかったな〜』
「何弱気になってんだアホ」
『あはは…松田こそ、なんで私の顔ガン見してんの』
「目に焼き付けてる」
『おいおい…』
目の前に炎はない。黒煙と熱気が押し寄せてくるだけ。
『後、2人…助けられなかった』
いざ自分が死にかけるに当たって、確かに色んな後悔や未練はあるけど。1番に思い立ったのは、それだった。
『何となく、2人の検討は着いてる』
「あの3人のうちの2人、だろ?」
『…ほっとにもう、皆私が居ないと駄目なんだから』
「だな……なあ、A」
『なに…』
急に真剣な面持ちをして、先程とは違う雰囲気で見つめてくる。
「俺と、結婚してくれないか」
『…こりゃまた、急だね』
「悪ぃかよ…確かに指輪とか全く準備してねえけど…。
返事は」
『そんなの決まってるじゃん…』
最後の力を振り絞って、彼を強く強く抱きしめる。
『…私も、松田と結婚したい』
「…なら、呼び方変えろよ。…お前も"松田"になるんだから」
『そう、だね』
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作者名:わわまま x他1人 | 作成日時:2024年3月16日 21時