助けて ページ47
『(階段が使えなくならないよう、爆弾より下の階で待機してたのに…下にまだあったなんて…情けない)』
『っ…息が、苦しっ……何も見えなっ……はあっ………もう、……』
『(…駄目、かな)』
_____________
数十分前、本庁で。
『分かりました、私たちが行きます。…行くよ、榊ちゃん』
「はいっ!」
「んふふっ」
「…」
「爆弾、か…大事に至らねえといいけど」
「班長…」
「どうした」
「俺も、現場行ってくるわ」
「はいはい…そう言うと思ったぜ」
「悪ぃな。」
別の案件の資料を班長に押し付け、俺は現場へと急行した。
今日はやけに事件が多く、他のやつはほぼ全員出払っている。だからあの現場にいるのは、Aとそのバディである榊のみ。
…正直鬱陶しい俺のバディは置いてきた。
「ちょっと!松田せんぱ〜いっ!」
※※※
「榊!Aは!?」
「松田さん…!Aさんは1人で中に行きました!」
「(やっぱりか…そうだよな、お前はそう言うヤツだもんなA)」
「俺に解体されるまで、…大人しくしてろよ…!」
無我夢中で階段を上り廊下を走り、1階1階、虱潰しにAを探した。正直、爆弾のことなんか眼中に無かった。
次の階に登りきった途端、下から激しい爆発音が。後ろから熱気と黒煙が押し寄せ、俺を追い抜かしていく。
「クソっ…もうかよ…!」
『…誰か、…こえっ…』
「A!!!居たら返事しやがれ!!!」
『まつ、…だ……!』
「!、Aか?今そっち行くから、待ってろ」
不幸中の幸い、炎はまだ登ってきてない。黒煙の奥から聞こえた声を頼りにAの元へと急ぐ。
「A!無事か…!?」
『…まあなんとか』
「そうか、なら非常階段から上に行くぞ」
『駄目!上にもまだ爆弾が…!』
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作者名:わわまま x他1人 | 作成日時:2024年3月16日 21時