検索窓
今日:8 hit、昨日:574 hit、合計:54,644 hit

再会した ページ44

「A?」





この懐しい心地良い低音ボイス。聞き馴染んでいるのに、久しぶりすぎて泣きそうになる。





(ヒロ)っ…!』





振り返ると同時にそう叫べば、そこには見慣れすぎた幼馴染の姿があ…あ?





『え?』




「卒業ぶりかな?いや、卒業前にほわになってるから警察学校時ぶり?」




私との再会を喜んでくれている幼馴染だったが、私には全くそれが聞こえていない。





『(ひ、…(ヒロ)に、ひ、ひ…)』





『ひ、(ひげ)があ…!!!』





"再会した童顔幼馴染は顎(ひげ)が似合うイケメンになっていた"っていう、正に今の私の状況下のタイトルのラノベ上がりの少女漫画ありそう。


…しかもただの顎(ひげ)じゃなくて、もみあげから連なってるタイプの顎(ひげ)で余計にダンディな雰囲気に。





「ああ、これ?これは潜入捜査とか色々で、そのままなんだ」




『(中身は可愛い可愛い景光くんだから、ギャップが…。これは世紀の大事件だっ…!!!)』






「そう言えば、松田と付き合ったんだって?」




『うん、』




「前会った時松田の機嫌悪そうだったけど、仲直りはしたの?」




『…まあね』




「そっか。…ねえ、A」




『なに?』





「4年前、(ゼロ)が卒業以来初めてAと会った時、Aからハグしてくれたって聞いたんだけど…



俺にはしてくれないの?」





そう言って小さく腕を広げ、待ち構える(ヒロ)





『(…松田、すまんっ!!!!!)』





心の中にいる松田に渾身の土下座謝罪をかまし、待ってくれている幼馴染に徐々に近付いて行く。





『うわあ〜、(ヒロ)の匂いだあ〜』




零とは違う、でも間違いなく安心出来る香り。





「男臭くなってない?」




『なってない、なってない』




寧ろこの見た目で少しは男臭くなっている方が似合うと言うのに、全く変わらず爽やかすぎる。良い意味で違和感。







「またね、A」




『うん、また』






この時、いつもとどこか違う(ヒロ)に、私は気付くことが出来なかった。

〇にくされっ!!!→←できちゃった



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
124人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:わわまま x他1人 | 作成日時:2024年3月16日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。