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「お客様困りますっ!ここはペット同伴で、」
「済まないが、捜査のためなんだ」
そう言って、あまり見ることのないお父さんの警察手帳を看護師さんに見せる。
「…分かりました」
でも、もう病院を後にしてもいいかもしれない。
間違いない、爆弾はこの病院内にある。
『ワンっ!』
「分かった」
直ぐに病院の外に出て、萩に電話をかけるお父さん。
「Aはここで待っていてくれ、俺は院内に再び知らせてくる」
『ワン(分かった)』
『(…よかったあああああああ)』
こんなに心の底から安堵したのは、生まれて初めて。そしてもう一生来ない。
もう本気で刑事辞めることになるかと思ったよぉぉおお!!!
その後、20分ほどで看護師さん達によって避難を完了させた病院は、気味の悪いほど静かだった。
「あとは俺に任せて、死にかけてるバカの所に行ってあげて」
『(うん。行ってくる)』
今の萩はあの頃とは違って、死相も、刈り取っていく死神の気配も、全く見えなかった。
※※※
「警部!たった今報告が上がりました!もう1つの爆弾は、萩原隊員によって無事解体された模様であります!」
「何ィ!?こんなにも迅速に発見し、解体したというのか!!?…まるで未来が見えているようだな」
「はいっ!何やら漣警視長の協力の元、だそうで…」
「漣警視長って確か…」
「嗚呼、漣A君のお父上だ」
『ワンっ!』
「え、犬!?どうしてこんな所に…」
「いや!そんなことよりも…松田?聞こえているか?たった今もう1つの爆弾は無事解体されたと報告があったたんだが…嗚呼、よろしく頼むよ」
数分後、観覧車の爆弾も松田によって無事解体された。
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作者名:わわまま x他1人 | 作成日時:2024年3月16日 21時