疲れた ページ32
『へっくしょんっ!!!』
「おっ豪快なくしゃみだね」
萩と爆弾犯について調べ始めて3ヶ月弱。予定の日が着々と近付いて緊張感も漂っているが、同時に寒気も漂い始めていた。
「っていうか冷静に、犬がまともにパソコン触ってるって違和感しかないね」
全く関係ない話を持ち出す萩、疲れか。
『(今更かよ。…あー、コーヒー飲みてえ!!)』
そして私も。
「終わったらいくらでも俺が奢ってあげるから、今は我慢だよ」
『アウ…』
『(それならいっそ、酒奢れ)』
「…はいはい」
あれから時間が経っただけ、犯行の目星もつき、計画も最終段階へと入っている。ただ、成功しなかったらと思うと全く安心ができない。
…死相も既にはっきり見えているから、尚更。
「そう言えば陣平ちゃん、捜査一課に転属願出したらしいよ。それも結構前に」
『アウ?(いつ?)』
テレパシー状態で会話出来るにも関わらず、思わず声が漏れてしまった。
「さあね。なんで出したのかも分かんない」
お手上げと言うように両肩をひょいっと上げ、天を仰ぐ萩。
『(…終わったら部下としてこき使ってやらないと、ね)』
「その為にもさっさと作戦成功させて、人間に戻っちゃって陣平ちゃんに会わないとね?」
『(うん、そうだね)』
『(あー零と
「あっはは、きっと疲れ果ててデスクで寝ちゃってるよ」
ここで他の男の名前出すとか、浮気って言われるのかな。いやそもそも、萩と四六時中一緒に過ごしてること自体、浮気か。…どんなことを言われて、思われてもいい。
絶対、助けてやるんだから。
「2人とも、悪い。遅くなったな」
特別助っ人も設けたしね
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作者名:わわまま x他1人 | 作成日時:2024年3月16日 21時