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「そう言えば…ちょうど3ヶ月後って、あの事件の時期じゃん」
『(だとしたら合点がいく。萩を殺しかけたアイツ…また動くんだ)』
「なるほどね、ちょっと見えてきたかも」
『(事件を起こす日は、同日の11月の7日と仮定しても良さそう)』
「そうだね…アイツは人が多い所を狙う。今回もそれに従って、2ヶ所って所も踏まえよう」
『(…前回は結局誰1人として死ななかった、腹いせでもっと大勢の命を狙ってくるっていうのは?)』
「それは、アリだ…」
少しだけ、見えてきたかもしれない。…何となく、死にかける人も。ただ、その人物の名は萩も私も出さなかった。
『(頑張ったらもう少しだけ絞れそう)』
「うん、ただ集中しすぎて足元すくわれるかもしれないから、注意しながら探そう」
『(うん)』
私たちが、もっと早く捕まえていれば…もう少し楽だったのかな。
「…なんだお前ら、こんな所にいたのかよ」
「ちょうど良かった、陣平ちゃん。しばらくの間、ほわ貸してくれない?」
「…どういうことだ」
「ほら、俺の番は終わった訳だし、1番安全じゃん?Aちゃんと次のこと考えるなら俺とが得策でしょ」
「なら俺と、」
「次が陣平ちゃんの可能性だって捨てきれない。…渦中のヤツと作戦立てても、元も子もないんだよ」
「お前は…どう思ってんだよ」
『…(悪いけど、萩と一緒にいないと)』
「っは、沈黙が答えかよ…好きにすりゃいいだろ。俺は知らね」
そう言って黙って背を向けてどこかに去って行った。
「…そうと決まれば、早速取り掛かろっか」
『ワン…』
今まで生きてきた夏の中で、1番蒸し暑いと感じたことを今でも覚えている。
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作者名:わわまま x他1人 | 作成日時:2024年3月16日 21時