与えられた ページ30
高嶺の犬に返り咲き(?)、数年ぶりに警備部に登庁したのが、
『(力ってなんなんだ…?)』
「陣平ちゃん、…来たみたいだね」
と、先に登庁していた萩私たちの元へとやって来た。
「嗚呼。」
「松田、例の件なんだが」
と、上司に呼び出されたのか私たちの元を去って行く。
『(しかし、次は誰だって言うんだよ…)』
「え?」
『(萩?どうしたんだ?何をそんな物珍しい目で私を見る?)』
「Aちゃん、…?」
『(そうだよ)』
「驚かないで聞いて…」
なんだその、医者の余命宣告みたいな発言。
「今、俺Aちゃんの発言聞こえてるんだけど」
『(え?)』
「今、"え?"って言ったね?」
『(まじじゃん…)』
「まじだね」
どうやら"力"というのは、"萩と意思疎通ができる"ことらしい。
『(ちょっと場所変えよう)』
※※※
誰にも聞かれないように、非常階段に座って今回のことを萩に伝えた。誰かに見られたら、萩が"犬に独り言かますヤバいヤツ"って言うレッテル貼られちゃう。
「なるほどね、これは今回1回だけなんだね」
『(って言ってた。先送りにも出来るって聞いたけど、何となく今回じゃないと駄目な気がして)』
「Aちゃんの勘って当たるからいい判断だと思うよ。…力不足とかAちゃんだけじゃどうしようも出来ない…技術的なモン?俺が出来ることって…」
『(だとすれば…)』
私たちの頭に過ぎった言葉はたった1つだった。
"爆弾で死ぬ"
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作者名:わわまま x他1人 | 作成日時:2024年3月16日 21時