番外編.桜の花に葉を添えて ページ28
「なあ、あそこにいるのって漣警視長じゃないか?」
「本当だな、でもなんで保護者席に座っているんだ?」
入校式が始まる前にそんな言葉が聞こえてくる。
『(あんのクソ親父ぃ…!!!)』
「大丈夫か?A、顔色が優れないように見えるぞ」
『うん、大丈夫…ありがと零』
「なんて顔してんだよ、腹でも痛くなったか?」
そう言って私を嘲笑し、話しかけて来たこいつは同じ班の松田陣平と言う男。
「松田…!」
「へーへー」
私はこいつが嫌いだった。
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入校した直後、私たちは同じ班のメンバーとして初対面することとなった。
『まさか零と
「俺も。2人と一緒で心強いよ」
「嗚呼、3人で立派な警察官になろう」
「俺は班長の伊達航だ。お宅らは知り合いか?」
『はいっ!2人とは幼馴染で、』
「君たちも幼馴染なの?俺たちも幼馴染なんだよね、ね!陣平ちゃん!」
"陣平ちゃん"と呼ばれた男は欠伸をしながらゆっくりと私たちに近付いてきた。
「…んだよ女いるじゃねえか、面倒くせえな」
『(うーわ、なんだコイツ…)』
「聞き捨てならないな、Aに失礼だろ?謝って貰えないか?」
「
零と
「ああ?」
「さすがにそれはよくないって陣平ちゃん…ごめんね、コイツ根はいい奴だから」
申し訳なさそうに、方目を閉じて代わりに謝ってくれた幼馴染さん。
『(どこが…?)』
「松田、これから同じ班として過ごすんだ。チームワークも大切になってくるだろう、変な蟠りは命取りになりかねん」
班長も庇ってくれた。
「ッチ。へーへー悪かったよ…ってお前、よく見ると乳デケェな」
その瞬間、乾いた音がその場に鳴り響いた。
私がこの男にビンタしてやったのだ。
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番外編では、人間の姿の警察学校時代のお話を書きたいと思います!
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作者名:わわまま x他1人 | 作成日時:2024年3月16日 21時