伝えた ページ26
「…なあ、よ」
『何よ。』
「…俺がお前に告ったの、3年も前なのは知ってるよな?」
『そうだね』
「…そろそろ4年目に突入することも知ってるな?」
私たちが警察学校を卒業してから、4年が経とうとしていた。4年も経てば、色々と変わる。私は"巡査部長"から昇任試験を突破して"警部補"へと昇格した。それも2年前のことだけど
激務に追われ、間違えてパーカー・短パンで登庁した日があったのだが。先輩・後輩両方面から、親しみやすい、動きやすさ重視で結構、等と寄せられたのはいい思い出。
あの日から毎日ラフすぎる格好で登庁している。
因みに、松田が突発的に禁煙し始めて3年。私に気遣ってくれてるのか、ただの気分なのかは分からない。
で、今は2人ともお風呂を済ませ、眠るには少しだけ早い時刻。なので私はソファで小説を読んで時間を潰している。
『確かに4年前に松田から告白されたよ』
「だよな。だったらな、」
『あのねえ松田…"すきだ"とは言われたけど"付き合ってくれ"なんて一言も言われてないんだよ、私。』
「…マジなのかよ」
『マジよ』
「…すまん。」
数秒黙って当時のことを思い出しているのか、それから頭を抱えて、割と重めに謝ってきた。
『いいえ』
「A…改めて、ゴホンっ!」
立ち上がって、私をソファと自分の体で挟んで迫って来た。本を読んでいるというのに、全く眼中にないらしい。
「Aのことが好きだ、…俺と、付き合って欲しい」
チラっと目を向ければ顔を真っ赤に染めた松田が、ドキドキした様子で私からの返事を待っていた。
『お願いします』
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作者名:わわまま x他1人 | 作成日時:2024年3月16日 21時