同期が大好きなヤツ ページ20
「そう言えば…陣平ちゃん聞いた?」
昼休み、萩といつものファミレスで昼飯を食べてる時、突然問い掛けてきた。
「何を」
「Aちゃん、初日から本庁勤めでバリバリ検挙してるらしいよ!」
Aが見つかって1ヶ月が経っていた。
「(聞いたも何も、本人から直接聞いてるっつぅーの)」
萩は俺らが同居していることは知らない。
「元々巡査部長からスタートしてんだから当然だろ」
国家公務員一般職試験を合格して警察学校に入校したヤツは、巡査職ではなく巡査部長職から警察官として働くこととなっている。
「それは役職名でしょ?巡査スタートでも変わらないと思うんだよね!」
同期のことをどうしても褒めたいのか、食べることを忘れ兎に角Aを褒めまくる。
食べろよ、と言葉が出そうになるがここはグッと飲み込んだ。「あ、そうそう!」とまだ続ける萩。
「上司の警部補のサポートも完璧らしいよ!
なんでも、拳銃を持ち出したマル被が警部補に向けて発砲しようとしたんだけど、Aちゃんがマル被の拳銃を見事に撃ち抜いて確保したらしいんだよね!!
やっぱり
「…へえ」
「陣平ちゃん、もしかして嫉妬してる?」
「はあ?」
「"俺らの"じゃなくて、"松田の"Aちゃんだったね」
何故か萩には、俺の秘密がバレている。すげえ気に食わない。
「余計なこと言ってんじゃねえぞ」
と、軽く脅せば(警察官だよね?)「ハイハーイ」と聞いてないような返事をしてきやがった。
124人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わわまま x他1人 | 作成日時:2024年3月16日 21時