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拉致られた ページ16

事件から数時間後、私は本当に松田の家に帰って来ていた。否、拉致られたのだ。





…順を追って説明しよう。





まず、松田と萩は警視庁に戻らなければならない。だから私は事件の被害者として付いて行くことにした。




そして警視庁に到着し、事情聴取で聞かれる内容の答えを考えていると聞き覚えしかない声を耳にした。





「A…なのか?」




『げっ…』




「これはこれは漣警視長殿ではありませんかっ!どうなさいましたか?」




私に付き添っていた警官は、私の名前を呼ぶ男に、深いお辞儀と敬礼をしそう挨拶した。が、耳にも届いてないらしく。"警視長"と呼ばれた男は私へ一目散に走って来て、強く強く抱き締める。




「…警視長、殿…?」





相変わらず耳に届いていないおっさん。…まじこん時は死ぬかと思った、松田のなんか比じゃないレベルで





「本当にに無事で良かった!!我が"愛娘"よ!!!」




と、信じられないくらいの大声で叫んでみせた。…うるせえよ!!!鼓膜潰れんだろうが!!!!そして愛娘は言わなくても言いだろバカ親父!!!!







案の定事情聴取所ではなくなり、父と一緒に私を捜してくれた先輩方やお先に警官となった同期達に挨拶し回った。




え?なんでもう警官面かだって?




お父さんにも事の真相を伝えると、本当に色々と手を回してくれて、晴れて正式に警察官となる事が出来た。明後日からようやく真面に登庁することが出来るー。わあーバンザーイ





と、警視庁から解放された瞬間に松田に拉致られて、一瞬だけ実家に帰り着替えや少々のメイク道具を拾って、松田の家へと強制連行、そして今に至る。







『…あのさ、ずっと気になってたんだけど…松田って私のこと苗字呼びだったよね、私が消えた日から下の名前で呼んでたから気になってた…。』





「…んなの、お前が心配だったからに決まってんだろ」





『そうだと思うんだけど、でも意図せず呼び方が変わることってあるかな…あの時は意図とかそんな余裕ない感じだったし、最近は慣れたような感じだったし…』

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作者名:わわまま x他1人 | 作成日時:2024年3月16日 21時

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