逃がさせた ページ13
「当マンションの住民、避難完了しました。」
無線で聞き取った情報をそのまま伝える。
「了解。…んじゃまあ、ゆるゆるとやりますか」
何がゆるゆるとやりますだ、バーカ。
『ワン!!ワン!!(避難完了したならお前も逃げるんだよ!!)』
「え、ほわ!?なんで…?」
スカして爆弾の隣に座っていた萩は私を見た途端、スルッと立ち上がってこっちに向かって来た。
『ワン!ワワン!!(いいから早く逃げるんだよ!!)』
「え、ちょ、ほわちゃん?なんで来たのっ?」
『早く!逃げて!!』
「Aちゃん、?…っ…総員、一旦退避!」
「え…、でも」
「良いからっ!!!」
「「「…はいっ」」」
萩の出した指示により、機動隊をマンションから退けることに成功した。
『(…間に合った)』
犬になれば命救えるって…私が犬になって助けろってことかよ。まあ犬の姿じゃないと、侵入できないからって言うのは分からんでもないけと。そっちで救ってくれよ…、!!
階段を降りている時、萩の電話が鳴り響いた。
「ねえ陣平ちゃん…今俺の腕の中に何があると思う?」
「は?お前何言ってんだ?それよりばくだ、」
「逃げて来たよ。…ほわに呼びかけられて」
「はっ、ほわ…!?」
「詳しい事は降りてから話すわ」と言って電話を無理矢理切り上げた。
「無茶な所は犬になっても変わらないね」
『(…なんのこと、かな)』
数秒後、予定通り爆弾は爆発した。
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作者名:わわまま x他1人 | 作成日時:2024年3月16日 21時