今宵は月明かりに【Kota.Y】

＊ ページ18

side.八乙女




え?え?え?

薮が女の子連れ込んでる…。

え?マジ?ほんと?

薮に捕まる女の子なんて←

しかもめっちゃ美人だし。

なおさらね?←





『え、えっと…』





え、声可愛い。

え、可愛い可愛い。

惚れる惚れる。

てか、女の子家に連れ込んで

週刊誌とかに撮られたらどーすんだよ。

アイドルだって、自覚しろよ。

まったく。

いや、可愛いって言ってる俺も大概だけど。





『あっ!とっ、とりあえず中へ…』





その子は俺の顔を見た瞬間に

納得したように家に招き入れた。

…薮の家だけど。

そして、薮がくるであろう玄関へと

また駆けていった。

俺は、とりあえず玄関から

1番近いキッチンへ、廊下の扉から入ると

材料を置いて、女の子と同様玄関へ行った。

すると…。






『宏太さん、八乙女さん来るんだったら
言ってくださいよ〜。
そしたら、お家もっと綺麗にしたのに。』

「ごめんごめん。伝えるの忘れてた。
いつでも綺麗だし大丈夫だって。」

『だって、八乙女さんに片付けさせたら
私がいる意味がなくなります!』

「いてくれれば十分って言わなかったっけ?」

『もう!それに、八乙女さんって
わかったからよかったですけど、
わからずにそのまま玄関いたら撮られます!』

「あー、ごめんごめん。」

『ごめんじゃありません!
宏太さんや、八乙女さんだけじゃなく、
他のメンバーさんにも、事務所さんにも
ファンの方にも迷惑かけるんですからね。』






…なんか俺、この子好きだわ。

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