4 ページ4
ヒョヌくんが昨日言ったことは、きっと家庭で親御さんが話していたこと。
子どもは、わたしたちが思っているよりも、大人の話を聞いているんだから。
------------
「パク・Aさん」
「はい」
「ご家族は…」
「実家は外国ですし、主人は出張でして…わたしだけでも大丈夫ですか？」
「そうですか…」
「それで、」
「ええ、検査の結果ですが------------」
------
「乗らないの？エレベーター」
「え？」
病室を後にして、どうやっ
てここまで帰ってきたのか。
「ほら、来てるけど」
「ああ、うん」
ベクに話しかけられてハッとするなんて。
「顔色悪いけど、どっか悪いとか？」
「ううん、ちょっと幼稚園に行ってきたから疲れてるのかも」
「あんまり無理するなよ」
Aが倒れたら、チャニョル、何もできないんだから。
って。
「わたしが倒れたら、チャニョルは何もできない、か…」
ドアキーを解除して中に入ると大きなスニーカーが。
「揃えてっていっつも言ってるのに…」
ついついこぼれてしまった小言。
大きなスニーカーを揃えながら、不意に溢れそうになる涙を堪える。
わたしがいなくなったら、チャニョルは…
子どもたちは…
「…っ」
こんなこと、考えちゃだめなのに。
ベクがあんなこと言うからよ。
「Aー？」
深呼吸をして、リビングの扉をあける
「おかえり、チャニョル」
「ん？もー、甘えん坊だな、うちの可愛い奥さんは」
出会った頃より、少しだけ歳をとったこの笑顔も、見れなくなるの…？
堪らなくなって、抱きついた
「ごめん、一人で不安だったよね…母親だろ、なんて、ごめん…」
わたしをぎゅーっと抱き締めて、右に、左にゆっくり揺れながら話しかけるチャニョル。
ううん。もう、いいよ。
そんな意味を込めて、チャニョルの胸におでこをあてる。
だって、もし、今、言葉を発したら堪えているものが溢れそうだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 268人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「EXO」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ビビ
| 作成日時：2016年5月27日 22時
