【d!】縁を結んでⅡ【夢】 (ページ7)

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…なんと言うか、なんと言うか。

で、これが？と顔を上げれば、チーノさんは肩を竦めた。エーミールさんが口を開く。

「……我が国にも白尾国にも無視出来ない事態になりましたので、Aさんに出て頂こうと」

トントンさんが、と彼が付け足す。トントンさんかぁ〜と片手を顔に当てて天を仰いだ。仕事を覚えれば覚えるほどに詰め込もうとしてくる彼はきっと“色彩の儀”で幹部補佐就任式を行うために手っ取り早く目に見える実績を私に与えたいのだろう。こんなこと3歳児でも分かる。

恐らくこれからマナーや知識を更に詰め込まれるだろう中に初の任務が重なるとなると要領がそんなに良くない私は何とかなるのだろうか…。チーノさんと鬱さんがご愁傷さまって言い出しそうな雰囲気を出しているのが何よりも腹が立つ。頭を抱えた私をニヤニヤと見ながらオスマンさんも口を開いた。

「メインはAちゃんやけどシャオちゃんに補佐でついててもらうから心配はそこまでせんくてええと思うよ」

まぁ、白尾国からも討伐部隊出るやろうし、と付け足した彼の言葉にはきっと、チームアップする事になるだろうから、他国の人間とのお付き合いの勉強も兼ねてこい、と言う裏が見え見えで肩をガックリ落とした。

それに、と顎に手を当ててうーん、と唸る。

シャオロンさん。シャオロン大将。第二陸軍近接軍団長。彼からはコネシマさんと共に近接戦及び団体時の戦闘対処について教えて貰っていた。幹部補佐としてのローテーションが始まる前まではそれはもうこってり絞られていたものだ。チラホラと色んな人にイタズラや煽りを行っては内ゲバに発展するのを見るが、場の雰囲気や空気を読むのが得意でこの国で彼がオスマンさんの護衛として就いてた際はシャオロンさんがシャオロンさんじゃないようで目を白黒させたものだ。

対人面でも戦闘面でも確かに不足はほぼない人物だ。

でも、

『ショッピさんじゃないんですね……？』

本来であれば現在、私の教育を担当しているショッピさんが来るのではないだろうか？そう首を傾げていれば目の前のオスマンさんがにこにこと私を見ていた。

「まぁ、俺はどっちかっていうと後方が専門やからな」

答えは突如として背後に現れた。