【d!】縁を結んでⅡ【夢】 (ページ3)

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廊下を歩く二人の間には沈黙がおりる。前を歩く水色のくせっ毛の頭がまるで綿菓子のようだとぼんやり眺めながら思った。

チーノさんはショッピさんと仲が良い。ほぼ同期のようなものだと言っていたからか、彼の元を訪れることが多かったが、実際私と二人きりになるとめっきり黙る。嫌われてるのか、そうでないのかはわからない。ただ、壁を感じてはいる。

業務上支障はないが少し寂しいものがある。私としては吐瀉した際に看護して貰った恩もあるし、悪い人ではない、というのは分かっているのでそれなりに仲良くしていただきたいのだが。

うーん、と唸っていれば目の前の水色の頭がふらり、と動く。

「多分やけど」

そう前置きをしてチーノさんが喋り始めた。

「オスマンが呼んどるの“ 色彩(いろどり)の儀”の件で手伝わせる気満々なんやと思う」

「“ 色彩(いろどり)の儀”が収穫祭のようなものだというのはわかったんですが具体的にどういうことをするんですか？」

問い返せばチーノさんの歩みが少し遅くなってこれ幸いと私は彼の隣に並んで歩き始めた。そのまま顔を覗けばぱち、と一つ瞬きを零していた。

「せやなぁ……軍部からは街の装飾や儀式のために金を出したり準備するやろうし…ああ、でもそこはトンつく隊の出番か。街の人達は露店を出すやろうし出店内容や売上の報告まとめとかもあんな。メインは当日の巡回やろうけど」

ブツブツと言葉を零しながら彼が首を傾けた。そして勢いよく首の位置を戻し両手をポン、と合わせる。

「多分事務処理やな」

その一言にさいでっか、と私は肩をガックリと落とした。