【d!】縁を結んでⅡ【夢】 (ページ17)

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episode.2-16 ページ17

先程の会話から1拍、にこにこ、一部ニヤニヤした面子で会議が再開される。

「そう、すみませんらっだぁさんフラフラしてたからいっかって思ってそのまま始めてました」

「おいスマイル〜……」

らっだぁさんに弁明(仮)をしたスマイルさんがらっだぁさんにジワジワと距離を詰められていく。しかし次の瞬間にスマイルさんの視線はNakamuさんに向いていた。

「Nakamuが勝手に」

「Nakamu〜？」

「いやスマイルお前それはズルいって！お前だってとめなかったじゃん！？」

やいのやいのと会議が踊る。いや最早会議でもなんでもない。こんな巫山戯あいを国の中枢を担う人達がやれる関係性ということは国同士の仲が良好であるということも伺えるし、賑やかでいい事なのだが……。

あっという間に私が置いていかれてぽつねんと席に座っていればそれに気付いたらっだぁさんが一拍置いて咳払いをした。

「はいはいしゅーごーしゅーごー、会議しよ、会議」

棒読みのその言葉に立ち上がって居た全員が粛々と席に戻る。唯一、シャオロンさんだけが「らっだぁのせいで始まったんに……」とニヤニヤしながら小声で言ってらっだぁさんに小突きを喰らっていた。

「ンン、で山賊討伐だっけ？」

「はい、既に先遣隊を送ってアジトの場所は突き止めています」

そう、Nakamuさんがハッキリと応える。
仕事が早いと思わず目を見開いていればチラ、と私を見たシャオロンさんが顔、と零した。慌てて表情を取り繕う。それもそうだ。既に何人もの商人が襲われた挙句、軍内にも被害が出ていればその対応は当たり前なのかもしれない。考えが浅すぎた。

「ここです、丁度俺達の国の境界の河、その根元にある大木の洞穴。随分と大きい洞になってるみたいで30人は入っても埋まらないと思っていい」

スマイルさんがそう付け加えた。30人。凡そ軍の小隊と同じ人数。確かに国を出る前の打ち合わせで出た挟み撃ちするにも充分な人数が入れるということが理解出来る。

「まぁ1番いいのは洞の中に手榴弾ぶん投げて一網打尽っていう手やけどこれまでの手口からそんな上手くは行かんと考えてええな」

「シャオロンやば」

シャオロンさんが腕を組んでそう告げたのをらっだぁさんが半笑いで茶化す。確かに効率的にもそれが一番良いしゲームだったら1発だろうがお生憎ここは現実。
軍に手を出したことは向こうも理解しているはずなのできっとそう簡単には行かないだろう。